外国人の方も辞めてしまう介護の現場――低いお給料が大きな課題

外国人の方も辞めてしまう介護の現場――低いお給料が大きな課題

今、日本の介護の現場では人手が足りていません。そのため、多くの外国人の方が介護の仕事に入ってきてくれています。でも、長く続けてくれる人はあまり多くありません。

目次

1.介護の仕事に外国人の方も増えているけど…

全国の介護施設を対象にした調査によると、介護の仕事をしている外国人のうち、約3割の人が「お給料に不満がある」と答えています。さらに、過去5年間では半分以上の方が介護の仕事から別の仕事に変わっていることが分かりました。

この背景には、「介護の仕事そのもののお給料が低すぎる」という根本的な問題があります。外国人の方にも長く働いてもらい、安定した介護サービスを続けるためには、国が主導して介護職の報酬を上げることがとても大切です。

2.多くの人が辞めてしまっている現実

この調査では、192の施設のうち、3分の1以上の施設が「外国人の方が辞めてしまった」と答えています。辞めた理由で一番多かったのは「他の仕事に転職した」(約52%)ことで、次に多かったのが「お給料に不満がある」(約36%)というものでした。

介護の仕事は、体力も気力も必要でとても大変です。でも、それに見合ったお給料がもらえていないのが現状です。だから、もっと良い条件の仕事に移るのは当然のことかもしれません。

3.働きやすい環境があっても不十分

同じ調査では、「職場の人間関係が良い」「相談しやすい」「シフトが柔軟」「有給が取りやすい」といった点に満足しているという声もありました。つまり、職場の雰囲気や制度には良い面もあるということです。

でも、それでも多くの人がお給料に不満を感じ、仕事を辞めてしまっている現実は見過ごせません。いくら働きやすくても、生活が成り立たなければ仕事は続けられません。これは日本人にも、外国人の方にも共通の問題です。

4.都会に人が集中してしまう

外国人の方が辞めた後の転職先として、東京、神奈川、愛知などの都市部が多いこともわかっています。都会のほうが条件の良い仕事が見つかりやすいからです。

一方、地方では少子高齢化が進んでいて、介護の人手がとても足りていません。でも、お金に余裕がないため、お給料を上げるのが難しく、人を集めることができません。このままでは、地方と都会の格差が広がってしまい、地方の介護サービスは続けられなくなってしまうかもしれません。

5.外国人の受け入れと報酬のバランスが悪い

日本では、特定技能制度やEPAという仕組みを使って、外国人の方を介護の仕事に受け入れています。これは人手不足を解決するためにはよい方法です。

でも、実際の介護現場では、お給料を上げるためのお金が足りていません。大変な仕事なのに、十分な報酬が支払えない状況が続いています。


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外国人の方を「安く働いてくれる人」としてではなく、「大切な仲間」として長く働いてもらうには、報酬制度を見直す必要があります。施設がちゃんと人件費を払えるように、介護報酬を引き上げることが必要です。

 6.これからの介護を守るために

これからは高齢者の数がもっと増えていきます。一方で、若い働き手は減っていくので、外国人の方の力を借りることはますます大切になります。

だからこそ、今のうちに介護のお給料を上げて、介護の仕事を「魅力のある仕事」に変えていくことが、国の責任です。目先の対策だけではなく、根本的な見直しが必要です。そうしないと、将来、私たち自身が介護サービスを受けられなくなる日が来るかもしれません。

 7.【まとめ】報酬アップが一番の改善策

今や、外国人の方の力なしでは介護の現場は回りません。そして今後も、その役割はもっと大きくなっていくでしょう。

でも、そのためにはお給料の見直しが欠かせません。今のままでは、多くの人が他の仕事へと移ってしまいます。これを止めるには、介護報酬を引き上げて、働く環境をしっかりと整えることが必要です。

ただ「人手が足りないから外国人を入れる」のではなく、「誰もが長く安心して働ける職場」を目指すべきです。その第一歩が、介護報酬の引き上げなのです。

 

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