ジェネリックの積極利用で製薬メーカの再編を

みなさんジェネリック医薬品を知っていますか?

ジェネリック医薬品とは、後発品薬品ともよばれ、新薬と有効成分が同じで、同等の効き目をもちます。

それでいながら、ジェネリック医薬品の価格は、新薬の約2~7割です。

通常開発した会社が特許を取ると、20~25年の間その会社が独占的に製造・販売が可能です。

しかし、この特許が切れた後、開発した会社とは別の会社が製造・販売することができ、開発にかかるコストも大幅に抑えられるため、価格が安く設定することが可能になります。

後発品の普及はアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツなど先進各国で進んでいて、その普及率はアメリカ71%、カナダ66%、イギリス65%、ドイツ62%といずれも60%を越えています。

一方、日本の普及率は20%程度にとどまっています。

さて、日本の製薬企業の数は、2000年に1396社でしたが、現在は380社足らずに激減しています。

これは2000年代に業界の再編が進み吸収・合併を繰り返したためです。

しかし、正直これでも多すぎます。

製薬業界以外では多くの企業が再編されていますが、相変わらず多くの製薬メーカが生き残り、正直社員の給与水準も驚くほど高いのです。

この一つの理由が、ジェネリック医薬品の普及の遅れであるとも考えられます。

メーカによっては、特許が切れジェネリック製薬が出た製品が、いまだに売り上げの柱になっているケースも多々あります。

例えば認知症の治療薬のアリセプトはアメリカでは1500億円の売り上げが、特許が切れた途端90%ジェネリックに取って代わられました。


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一方、日本では1000億円の売り上げのうち20%程度を失ったにすぎません。

本来、製薬メーカには新薬開発の恩恵は、特許が有効な間に十分受けていたはずです。

特許が切れたら、その恩恵を失うことを前提にした経営・開発をするべきです。

それができなかったメーカは、その時点で経営戦略を変更する必要があるのです。

例えば、先ほどのメーカは、世界で3000億円あったアリセプトの売り上げは、特許が切れた時点で90%の2700億円失うべきなのです。

そこで経営ができなければ、合併・再編の選択が出てくるのです。

しかし残念ながら、ジェネリックの導入が進まないため、本来市場から退場すべきメーカまでもが生き残っているのです。

いつまでも社会保障費を垂れ流すことはできません。

国の政策として、ジェネリックの普及率を上げることは、メーカの再編、医薬品の値段の削減を図るためにも有効であると考えられます。

もちろんジェネリック医薬品自体の信頼性を上げる必要もありますが、最近では先発メーカが子会社を使って自らジェネリック製薬を発売するなど信頼性は上がっています。

各論で否定することなく、総論ではジェネリックの使用を進めるべきだと思います。

個人的には、合併で“第一三共エーザイ”のようなメーカができることを期待しています。

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