そろばんと右脳

私の、祖父の長谷川三之助は若い頃からそろばんの名手でした。

東海銀行の行員であった時代も、その技量が認められ、入行した新人は、全員祖父のそろばんの指導を受けたようです。

今でも70-80歳代の元東海銀行の方にお会いすると、祖父のことを覚えている方がいるほどです。
そのためか、息子である父親や叔父、叔母も皆そろばんの能力には長けていたようです。

私も、小学校の頃は学校の勉強は殆どしませんでしたが、そろばんは一人で練習していたものです。

時には、父親から、収支計算や連立計算を出題され、そろばんで解いたものです。

お蔭で、そろばんは1級を取得することができました。
そんなある日、自分の頭の中の数字がすべて“そろばんの玉”である事に気が付きました。

電話番号も郵便番号も数字は、すべて“そろばんの玉”なのです。

そのことを父親に言うと、『そんなの当り前だろ!』と言われました。


長谷川嘉哉監修の「ブレイングボード®︎」 これ1台で4種類の効果的な運動 詳しくはこちら



当ブログの更新情報を毎週配信 長谷川嘉哉のメールマガジン登録者募集中 詳しくはこちら


その後、医師として脳の働きを専門にすると、とても良く理解できました。

つまり、通常の計算は、左脳で行います。しかし、そろばんの上級者になると、情報処理が右脳に移動するのです。

つまり、数字を空間認識することで、処理能力が格段に速くなるのです。
そのためか、珠算1級の方はほぼ100%“そろばんの玉”がイメージできているようです。

2級は50%程度、3級では、殆ど“そろばんの玉”はイメージできていないようです。

数字の処理が右脳に移行しないと、情報処理加速せず、上級に進めないのです。
実際、私の患者さんでそろばんの先生が居ました。脳梗塞で左脳を損傷しました。

そのため紙に書いた計算は全くできなくなりましたが、“読み上げ算”で頭だけで計算すると以前と同様の計算が可能でした。
昔から、“読み書きそろばん”が重要と言われますが、脳の働きを考えても有用なのです。

自分にそろばんの能力を残してくれた、祖父および父には深く感謝です。

長谷川嘉哉監修シリーズ