平成27年1月4日、母方の祖母が亡くなりました。私の年齢(48歳)で祖母がいるだけでも驚かれますが、99歳の大往生でした。認知症状はありましたが、亡くなる直前まで、自分のことは自分で行っており、まさに”ぴんぴんころり“でした。
祖母は、若くして配偶者を失くし、和裁の技術一つで子供達4人を育て上げました。若いころは、1日1着の着物を縫い上げたそうです。そのため私が小さいとき、いつも針仕事をしている姿が思い出されます。
祖母とは“すき焼き”の思い出もあります。夏休みと冬休みに、祖母のもとに帰省するのはとても楽しみでした。帰省した日は、祖母がすき焼きを用意してくれました。散々すき焼きを食べた後、祖母は、『明日は何が食べたい?』と聞いてきました。自分は、冗談で『すき焼き!』と答えました。そんなことを言ったことも忘れ、翌日の夕食の時間。なんと、すき焼きが用意されているです。『なんで今日もすき焼きなの?』 と聞くと、祖母は『あんたが、食べたいといったからだよ』と答えました。孫思いの祖母には、冗談は通じなかったのです。
晩年は認知症のため、自宅での生活は困難となり、90歳からグループホーム(以下GH)で生活をしていました。GHの環境では、生活は自立していたようです。実は祖母のような段階で、在宅生活にこだわりすぎると、介護者に過大な負担を強います。これからの時代は、“何が何でも在宅”と肩ひじを張らずに、時にはGHも検討されるべきです。入所しても、家族にできることは沢山あるのです。
GHの体制にも感謝です。現在GHで看取りを行っているケースは約半分です。ですから施設によっては、最後は病院に入院となってしまいます。幸い、祖母のGHでは看取りを行っていただけました。お蔭でとても穏やかな最期でありました。スタッフの方々には、葬儀にも参列いただき感謝です。
最後に住職さんの言葉、『お祖母さんは本当に苦労された方だと思います。しかし、本当に苦労された方は、言葉に出されないのです・・』 改めて祖母の冥福を願うと同時に、感謝です。