「リープフロッグ 」という聞きなれない言葉。最初、「読みにくい」と思いながらも読み進めていくと内容が凄いんです。現在起こっている、社会の変化から、中国・欧州・米国における歴史的な流れが、「リープフロッグ 」という言葉で説明できてしまうのです。この1冊を読むことで、幅広い知識・教養が身につくことは間違いありません。超お薦めです。本の内容を一部ご紹介します。
- 「リープフロッグ」とは、 蛙跳びのことです。蛙が跳躍して何かを飛び越えるように、それまで遅れていた国が、ある時、急激に発展し、先を行く国を飛び越えて、世界の先頭に躍り出る。
- 目覚ましい発展の背景を調べると、そのほとんどがリープフロッグで説明できるのです。「遅れていたことを逆手に取った」ということができますし、「失敗したから成功した」ということもできます。
- 「中国で電子マネーが普及しているのは、銀行のシステムが発達していなかったからだ」と言うことができます。
- アメリカでは、全成人の約半分が固定電話のない家に住んでいます。若年層では、7割程度の人々が固定電話を持っていません。ところが、日本では、固定電話を保有している世帯の比率は 64・5%。
- アイルランドはかつてヨーロッパの最貧国でしたが、リープフロッグによって主要国を飛び越え、いまではアメリカより豊かな国になっている。2018年では7万8335ドルであり、日本の3万9304ドルの約2倍の水準になっている。
- 「ヨーロッパで経済パフォーマンスがもっとも良好なのはドイツ」と思っている人は、是非、認識を改めてください。
- 人類の歴史を見ると、中国こそが、長い期間を通じて世界の最先進国だったのです。つまり、「中国がリープフロッグされて、追い抜かれた」ということになります。
- ヨーロッパにおける最初のリープフロッグは、後進国であるポルトガルやスペインが、先進国イタリアを追い抜いて行くこと。
- この当時のポルトガルの人口はわずか150万程度だったことを思い出してください。日本では、「人口が減少するから大変だ」という人が多いのですが、そうした人たちは、この時代のポルトガルを思うべきです。
- リープフロッグしたポルトガルが、今度はスペインによってリープフロッグされる危険が生じたことになります。
- スペインは、地球上に日の沈むところのない大帝国を建設し、しかも、南米ポトシに大銀山を発見して、無尽蔵の富を手にすることができましたが、スペインが、経済成長を実現するメカニズムを作り出さなかった。
- 企業家精神を持つイングランドは、近代資本主義に向かう道を歩んでいましたが、米独にリープフロッグされた。
- 白熱電灯、発電システム、電車などの技術革新は、イギリスではなく、ドイツやアメリカで起きている
- 新しいビジネスモデルを確立した技術体系が、それを確立できなかった企業や人や技術を「飛び越える」という事態が頻発するようになった。
- Googleやフェイスブックが保有する膨大なデータは、利用法が分かる前から既に蓄積されていたものです。それらの利用方法が、最近になって開発されたのです。
- しばしば「ビッグデータは 21 世紀における石油だ」と表現されビッグデータは、石油のように、使えばなくなってしまうものではありません。繰り返し利用できる資産。