外来をやっていて感じることがあります。90歳を超えた人は「生きることのエリート」です。どんな生活をしていようが、「90歳を超えるまで生きられたという実績」があるのです。医師などは実績もなく偉そうに指導しているともいえるのです。この本は、93歳を超えたまさに実績十分な樋口恵子さんが教えてくれる貴重な心得です。実績のない医師の言葉より役立ちそうです。
- 「楽しげに生きる」 これは、 93 歳になった私が大切にしている自分との約束です。
- 楽しげに生きる」とは、楽しいことがなくても、自ら、果敢に、楽しみを見つけていこうという意志がなければ実現しません。
- 楽しげにふるまっていると、いいことがあります。 ひとつは、人との関係がよくなること。ふたつめは、〝いいこと探し〟が上手になること。
- ピンピンコロリで逝く人はそんなに多くはない、多くの人はピンピンとコロリのあいだに、ヨロヨロ、ヘロヘロという段階があり、ドタリと倒れ、それから年単位で寝たり起きたりという期間が待っている
- 体がピンシャン動いたときの私にとってタクシー代はぜいたくでしたが、現在の私にとっては必要経費なのです。
- 親も子もおひとりさま。私はこれを「ファミレス時代」と名づけました。ファミレスとは、家族(ファミリー) が少ない(レス) という意味です。
- 年をとれば、遅かれ早かれ介護が必要になるときがやってきます。そのときのために、〝ケアされ上手〟になっておく。「命令しない」「反対しない」「不足を言わない」「小言を言わない」「怒らない」という5箇条
- エイジレス・ライフの実践者たちには共通点があるということ。そのひとつが「あきらめ悪く、夢を追い続ける人たち」なのです。
- 「今がいちばん幸せ」 長い人生のなかで、いつがいちばん幸せでしたかと聞くと、長生きした人ほどこう答えるそうです。
- 「調理定年」したら、元気も、自由も、手に入った!
- 65 歳以上の低栄養傾向の人は男性約 12%、女性約 22%を占め、男女で大きな差があります。性別や年齢別に見ると、低栄養の割合が最も多いのは 85 歳以上の女性で、なんと約 25%でした。
- 私は絶対にボケてないぞ」なんて肩肘張るよりも、年相応にボケていると思ったほうが自然です。
- 腹が立つのは「お母さん、今日は何曜日?」と娘に朝、聞かれることです。
- 階段からの転落事故は、思い出しても背筋が凍ります。これがホントのカイダン話なんて、言っている場合ではありません。
- 家で暮らす 65 歳以上の方でおよそ2割、また施設に入居されている方の3割以上が1年間に一度は転倒するそうです。
- 比較的転倒初級者に多いのは、おのれの身体能力を過信することで起こるパターンです。
- 中級者になると、段差やすべりやすい場所などで転ぶようになります。段差につまずいたり、バランスを崩したところから、体を立て直す力がなくなっているからなのでしょう
- 上級者になると、段差がないのにつまずくパターン。歩くときに十分につま先が上がらないため、平らなところでもつまずいて前に転びます。
- 私は補聴器を使うようになりました。補聴器の値段はピンからキリまであります。やはり性能がいいものはお高い。でも、勝手に疎外感を持たずに人と対等にコミュニケーションをはかるには必要なものと考えています。
- ちなみに補聴器は、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科で検査、診断してもらい、医師の補聴器適合に関する「診療情報提供書(2018)」のもと認定補聴器専門店で作ると、補聴器の費用が医療費控除の対象になります。
- 高齢者の家や居住施設の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は6073人で、交通事故死亡者数2116人の3倍弱です。この溺死者の約8割が入浴中に亡くなっているというから、高齢者の入浴は、本当に命がけです。
- あまりの負担の重さに介護保険料を滞納して預貯金や不動産を差し押さえられた高齢者は’21 年度には2万人弱いるというのです。
- 昔を思い出そうとすることと、未来を考えることは、脳の中ではかなり一致している
- 日本には100歳以上の人が9万5119人いますが、このうち9割近くの8万3958人が女性です。
- 人づきあいの極意を「さっぱりと欲張らず」というシンプルな言葉で表しました。
- 他人の不愉快な仕打ちは「感情より勘定」で乗りきる
- 高齢者の鉄則は、やりたいことはすぐにやるべし、会いたい人にはすぐに会うべし
- 私自身は、病気になったとしても、認知症が進んだとしても、その姿を見せるのも私の役目かなと思っています。
- 介護する人とされる人は、「離れる時間」が大事!
- 旅行に行くときには、目的地についたら別行動するという夫婦も。いつも一緒にいると話題もあまりありませんが、夫婦が別々にすごすことで、それぞれの体験を報告しあうだけでも会話が増えたとのことです。
- 病気になっても、病人にはならないコツ
- 日本ではいまだ、人生の終わりについては医療側や家族の意向に「おまかせ」という傾向が強い。そろそろ、「おまかせDEATH(デス=死)」から、自分が決定する「私のDEATH」へと変わっていく必要があります。
- 名刺に「私、回復不可能、意識不明の場合、苦痛除去以外の延命治療は辞退致します」と記し、署名捺印した
- 高齢者の最後の仕事は、若い世代に自信を与え、見守ること
- やっぱり人生に無駄なことはひとつもないですよ


認知症専門医として毎月1,000人の患者さんを外来診療する長谷川嘉哉。長年の経験と知識、最新の研究結果を元にした「認知症予防」のレポートPDFを無料で差し上げています。