【お薦め本の紹介】脳血管障害は誰にでも起こりえます。『逆境を生き抜くための教養』

【お薦め本の紹介】脳血管障害は誰にでも起こりえます。『逆境を生き抜くための教養』

お元気な時から、出口治明さんの本からは、とても学びをいただいていました。そんな出口さんが、脳出血で右片麻痺・失語になったとの情報を聞き、専門医として現場復帰は難しいと思っていました。しかし、なんと出口さんは自身の「知力」によって学長に復帰されました。そんな過程がこの本には書かれています。多くの方に勇気を与える本です。脳血管障害は誰にでも起こりうる疾患です。多くの方にご一読をお薦めします。

  • 順境は、大抵の場合は「突然に」、逆境に転じる
  • 目の前の現実を受け入れ、「ではどうすればいいか」と考え、やるべきことをやる。僕がやったのはそれだけ
  • むしろ厳しい逆境のときこそ、数字とファクトに基づいて論理的に考えることが求められるのだ
  • 気力や精神力はたしかに大事です。でも、それに加えて重要なのは「知力」だと、僕は思います。「教養」といってもいいでしょう
  • 放っておくと、人間の社会はマジョリティにとって都合の良いものになる
  • 自分が右半身まひになり、電動車いすを使って生活するようになってから、僕はそのことに気づきました。  それまであらゆる点でマジョリティだった僕にとって、「障がい者であること」は初めて得たマイノリティ属性
  • 「自分の足で、外をひとりで歩くのはあきらめましょう」  理学療法士の先生からそう言われたのは、最初に入院した福岡の病院から東京の原宿リハビリテーション病院に移って3カ月後
  • 電動車いすでの移動にも慣れた僕は、2022年1月、脳出血で倒れてからおよそ1年後に、学長職に復帰
  • 自立とは「人に依存しないこと」ではない 「自立とは、依存先を増やすこと」
  • 「落ち込みを克服する精神力」ではなく、「落ち込まずに済む知力」を手に入れたことが、僕にとっての成長だった
  • 古典作品の中には作者が左遷されているときに書かれたものがたくさんあります。左遷によって時間ができたからこそ、後世に残るような著作を残すことができた。
  • 何かに挫折したからといって、落ち込む必要はない。結果的に「面白い」と思える人生になればいいわけですし、人生は必ずそうなる
  • やりたいことを早く再開したいなら、リハビリの時間を早く、少しでも多く確保するしかなく、「なぜこんなことになったんだ……」とクヨクヨ思い悩んでいる時間はない、というのはごく簡単な算数
  •  いちばん大事なのは、性格ではなく、自分の中に「やりたいこと」があるかどうかなのだと思います。
  • 歴史の場合は、まず「大きな目」を持つことで、「小さな目」の眼力が鋭くなります。
  • 大事なのは「世界は変えられる」「もっと良い社会にできる」という希望を持つこと
  • 「小さな目」では溜め息が出てしまう日本の民主主義ですが、「大きな目」で見れば必ず発展する
  • 逆境にあるときこそ、やはり歴史を学ぶことが大切です。歴史を学べば、逆境がいつまでも続かないことがわかり、未来へ向けた勇気を持つことができる
  • 順境から逆境への変化は、たまたまそういう巡り合わせになっただけのことです。自分の努力や工夫だけで止められるものではありません
  • 人類の歴史は、運と偶然によって「進化」してきました。目的に向かう「進歩」と違って、結果として起こる「進化」は、前の状態よりも良いか悪いかという価値判断とは無縁の変化です。偶然の環境変化に適応した者が、たまたま歴史の中で生き残る。
  • 目の前の逆境は、次の順境へ向けた準備期間だと考えればいい。そう心得てやるべきこと・できることを続けて、状況が転じるのを待つ。
  • 辞書で「あきらめる」を引くと、「諦める」のほかに「明らめる」という漢字表記があります。意味は「明るくさせる」「事情などをはっきりさせる」
  • 僕にとっては「あきらめる」は、「運命を受け入れてベストを尽くす」ことと同義
  • 「教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツールです」という一言に尽きる
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