【お薦め本の紹介】スイカのタネはなぜ散らばっているのか

【お薦め本の紹介】スイカのタネはなぜ散らばっているのか

それほど植物に関心があるわけではありませんでしたが、とってもとっても面白かったです。植物は、知恵と工夫を屈指して生き残ってきたことが良くわかります。一つ一つの植物には、とても深い物語があるのです。時には、こんなジャンルの本もお薦めです。

  • 植物にとって、移動するチャンスは「花粉」と「種子」の二回だけである。そして、植物は、このわずかなチャンスにすべてをかけていると言っていいほど、知恵と工夫に満ちあふれた花や種子を発達させている
  • 種子は乾燥に強い。地球の歴史をたどれば、種子植物の誕生によって、植物は水辺を離れて、内陸部へ進出することが可能になった
  • 日本タンポポは春に咲いて、さっさと種子を飛ばすと、根だけ残して地面から上は自ら枯れてしまう。ライバルが多い夏にナンバー1になることは難しいから、ライバルたちが芽を出す前に、花を咲かせて種を残すという戦略なのです。
  • スミレの種子には「エライオソーム」というゼリー状の物質が付着している。この物質は脂肪やアミノ酸や糖分を含んでいて、栄養価が高い。アリがエライオソームを食べ終わると、種子が残る。種子はアリにとっては食べかすのゴミである。そのため、アリは種子を巣の外へ運んで捨ててしまうのだ。このアリの行動によってスミレの種子は見事にアリの巣の外に脱出する
  • 実際には、ドングリはころころと転がらない。ドングリはドングリの木にとって大切な種である。あまりに転がって池にはまるようでは困る
  • ドングリはたくさんドングリを生産する豊作の生り年と、ドングリをあまり生産しない不作の裏年 を作っていると考えられている。ドングリを生産する量を変動させれば、不作の年があるからリスやネズミは増えすぎることもなく、豊作の年にはドングリを食べ残させることができるのである。
  • タケやササが花をつけると、実際に恐ろしいことが起こることが知られているのである。 大飢饉 である。 タケやササが花を咲かせた後は、無数の種子ができる。そして、この種子を餌とするネズミが大発生してしまう
  • 桃の節句におひなさまに供える菱餅も、もともとは菱形の餅という意味ではなく、ヒシの実を材料に作られたといわれている。ヒシは、仙人の食べ物といわれて尊ばれてきたほどである。ヒシで作った餅は、子どもの 健やかな成長を願う食べ物だった。しかし実際に、ヒシの実には、滋養強壮や健胃、消化促進などの薬効があった
  • ツバキの種子は、発芽の栄養分として油分を含んでいる。また、動物の食害から身を守るために有毒なサポニンを含んでいる。サポニンは界面活性の効果がある。そのためツバキは昔から洗髪などに用いられてきた。現在でも「TSUBAKI」はシャンプーのブランド
  • コーヒー豆は大切な種子なので、食べられるわけにはいかない。そのため、苦味物質や抗菌物質で身を守っている
  • モヤシにはビタミン類やアミノ酸など、豆には含まれなかった栄養素が作り出されるのである。まさに、モヤシは生きていくための栄養分とパワーに満ちあふれているのである。 もはや、誰がもやしっ子扱いできるだろう
  • ヒマワリもまた、このフィボナッチ数列に従うことによって、限られた面積の花の中心部に、平均的に隙間なく種子を並べ、できるだけたくさんの種子をつけるようになっている
  • キウイフルーツを食べすぎると、たんぱく質分解酵素が舌の表面のたんぱく質を溶かしてしまうため、舌がピリピリと痛くなる。一匹のサルが果実をたくさん食べてしまうと、同じ場所にしか散布されない。いろいろな場所に種子を運ぶためには、できるだけたくさんのサルに果実を食べてもらう必要がある。そこで、サルを惹きつける美味しい果実ながら、たくさんは食べられないように工夫している
  • スイカの種子はゆっくり時間をかけて胃腸を通り、できるだけ排出されないようにしているという。そうすることで、少しでも遠くまで運ばれようとしている
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長谷川嘉哉監修シリーズ