【お勧め本の紹介】同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか

【お勧め本の紹介】同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか

私は、もちろん戦争体験はありません。しかし、現在のコロナ禍における、マスコミや世間の反応は、「戦時下はこんな感じであったのでは?」と思えるほど恐怖を感じます。今回紹介する、鴻上尚史と佐藤直樹による「同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか」を読むと、その大きな原因が「日本特有の世間」であることがわかります。ぜひ多くの方が、この本を読んで、正しい世間との付き合い方を学べば、コロナ禍の乗り切れると思います。是非一読をお勧めします。

内容から一部ご紹介します。

  • 同調圧力とは、少数意見を持つ人、あるいは異論を唱える人に対して、暗黙のうちに周囲の多くの人と同じように行動するよう強制することです。
  • 日本は「同調圧力」が世界で突出して高い国なのです。 そして、この「同調圧力」を生む根本に「世間」と呼ばれる日本特有のシステムがあります。
  • 「世間」の特徴は「所与性」と呼ばれる「今の状態を続ける」「変化を嫌う」です。
  • 感染者の正確な数字も出てこないのに、観念論ばかりが押しつけられています。じつは戦時中も軍部が正しい情報を知っていて国民に隠していたのではなくて、軍部自体も正しい情報が分かっていないんですね。
  • 緊急事態宣言が出るまでの過程を見ても、太平洋戦争突入時と似ています。緊急事態宣言を後押ししたのはメディアでした。
  • 戦前は「隣組」とか「国防婦人会」が「反日」を細かく監視し、今はネットが担当しています
  • 要請に従うかどうかは任意である、君たちの自由意思である、というかたちの責任逃れ。
  • 強制力のない「自粛」や「要請」であっても、それを過剰に忖度し、自主規制する。
  • 日本人は「世間」にがんじがらめに縛られてきたために、「世間」がホンネで社会がタテマエという二重構造ができあがったことです。おそらく現在の日本の社会問題のほとんどは、この二重構造に発している
  • 香典半返しというのは、一九七〇年代以降にできた比較的新しい習慣。呪術性や贈与・互酬の関係を利用したビジネス。これも一種の同調圧力です。これに逆らうことに抵抗がある。
  • 作家の山本七平さんは同調圧力に対しては「水を差す」ことが有効だと書いています。
  • N高の理事長が言っていましたが、我々は今までの学校に合わなかった生徒を「落ちこぼれ」ではなく「吹きこぼれ」と呼んでいるんですと。
  • 若年層の死因で最も多いのは自殺ですが、それはG7のなかでは日本だけです。 日本人の多くは生まれてこの方、「他人に迷惑をかけない人間になれ」と家庭で言われて育ってきた。「犯罪を起こさない人間になれ」とは言われないわけです。
  • 借金を返さないなんてのは、「社会」という観点から言えば契約違反に過ぎない。要するに、債務不履行じゃないですか。死ぬくらいだったら踏み倒せばいい。そう考えるのが海外では普通です。
  • 「世間話」ではなく「社会話」のスキルを伸ばしていくことが重要だと思うんです。
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