先日、『女子の幸福論by朝倉真弓』を読みました。
まったくタイプの違う3人組の30歳女性が、謎多き美男子マスターに人生のこと、マネーのことを教わる事になった物語です。
株式、債券、商品、外貨といった基本的な金融商品についての知識のない、金融リテラシー(=必要な金融の知識や情報を取得し、金融を主体的に判断できる能力)の低い日本人の象徴として3人組の女性が描かれています。
実際、私達の周りにはこのような女性どころか、経営者さえいるように思われます。
自身が経営者であれば、バランスシートの負債が債券にあたり、資本が株式に当たると考えれば分かるようなものですが・・。
私自身、以前より何故か、金融リテラシーの低い人は、好きになれませんでした。
この本を読んでその理由が分かったような気がしました。金融リテラシーの低い人は、単なるお金の問題でなく、消費動向や人生設計にも問題がある人が多いからです。
具体的には、金融リテラシーの高い人は、個人で消費する際にも、投資か消費かで判断します。
単に欲望を満たすだけの消費であれば、少額でも無駄金は使いません。
逆に、将来にわたる有効な投資と考えれば惜しみなくお金を使うのです。
金融リテラシーの低い人は、消費や投資の区別が無く、常にお金の苦労が絶えることがありません。
そして、一気に挽回すべく、賭け事や宝くじと言った投機に手を出すのが“おち”です。
人生設計においても、金融リテラシーの高い人は、それこそ学生時代から将来に向って資格や能力を磨くべく投資活動を惜しみません。
言い換えれば、若いうちに人的資本を充実させるのです。金融リテラシーの低い人は、漠然と若い時代を浪費しているため人的資本が充実されません。
最終的に行き着くのは、リタイアメントプアーなのかも知れません。
日本人には、お金の知識は不浄なものという意識が強いのかもしれません。
しかし、金融リテラシーと消費動向と人生設計の関係を考えると、若いうちから各家庭で教育しておくべきではないでしょうか?
我が家では、そのためにも毎月家族会議を開いているのです。