落合博満さんは、名選手であったたでけでなく、中日の監督しても実績を残されました。そんな彼の著書である、
“采配”は、自立型人間の育て方、常勝組織の作り方、プロの仕事についてなど、ビジネス書、人材育成、自己啓発書としても読める一冊でした。
そんな落合さんの、最新作”戦士の休息“は、映画を語っているのに、スターとは? プロフェッショナルとは? 温かくも深い言葉がちりばめられています。いくつかをご紹介します。
① どんなジャンルの作品も観ます。一番好きな作品はありません。ただ、映画も人間も同じで、一つの作品の中に必ずいい部分と、そうでない部分があると思っている。いい部分に共感すれば、『感動した』『面白かった』になる。
② 歴史を学ぶことの大切さ。バッティングのような技術論は、最終的な形が私独自のものであって、それを作り上げていく過程では過去の名選手、目の前にいる先輩を手本にするものだ。
③ チャップリンのエピソード。『あなたの作品の中で一番好きなものは何ですか?』という質問を受けると、必ず『ネクスト・ワン【次の作品だ】』と答えていた。まさに映画界における、ナンバーワンであり、オンリーワンである。
④ 「ホームラン王はまたあいつか」と言われるような、偉大なマンネリズムを追求することが、プロフェッショナルの仕事といえる。
⑤ 野球、警察官、医師の世界で、いくら映画で創作物でリアリティを追求しても、専門家にとっては、『嘘っぽいもの』の域を出ないのではないか?
⑥ 私は、契約書に書かれている『チームが優勝するように最善の努力をしなさい』という内容の一文がすべてと受け取り、そのためにどうすればいいのかを、ひたすら考え抜いただけなのだ。
⑦ どんな仕事でも、それを始めるにあたっては、その職種や業界の歴史を紐解き、どういうことをやって成功し、どういうことで失敗しているか学んでおくものだろう。なんでも、“オレ流”で片付けるのは、野球界の歴史を勉強していない人なのである。
⑧ 古いということを、“古臭いこと”と混同してしまっている。
⑨ 映画は、その作品と出合った年齢、出会うまで歩んできた人生によって、受け止め方はまるで違うものになるだろう