緩和ケアを行わない不勉強な医師

2013-02-15

皆さん、山本孝史議員を覚えてみえますか?

2005年12月に検診で胸腺がんに侵されていることがわかり、2006年5月22日参議院本会議場で「がん患者」であることを告白。この告白によって「がん対策基本法」が成立しました。

その後、2007年12月22日、 有明病院緩和ケア科で58歳で死去されました。

がん対策基本法は、日本人の死因で最も多いがんの対策のための国、地方公共団体等の責務を明確にし、基本的施策、対策の推進に関する計画と厚生労働省にがん対策推進協議会を置くことを定めた法律です。

その概要は、『がんの予防及び早期発見の推進』と『がん医療の均てん化の促進等』で成り立っています。

その中でも、緩和ケアについては、『がん患者とその家族が可能な限り質の高い療養生活を送れるようにするためには、緩和ケアが、治療の初期段階から行われるとともに、診断、治療、在宅医療など様々な場面において切れ目なく実施される必要がある。』 そのためには、すべての医師が専門に関わらず最低限の緩和ケアの知識を持つ必要があります。

そのため、土岐内科クリニックでも私と橋本医師は2日間にわたる密度の濃い緩和ケアの講習に参加しました。大変勉強になるもので、在宅医療においても積極的に緩和ケアを行っています。

しかし、先日とても残念な事例がありました。


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訪問依頼があった患者さんは、前立腺癌の全身転移で某総合病院に受診されていました。全身の痛みのために、3回ほど救急受診しましたが、『末期の状態でやることはない』と軽い鎮痛剤が処方されて帰宅させられていました。

早速、当院で非麻薬性の鎮痛剤、その後低用量の麻薬を開始しました。

現在では痛みのコントロールもついて、とても元気で経口摂取もできています。

未だに、こんな不勉強な医師が存在するかと思うと呆れるとともに怒りがわいてきました。一般的に、基幹病院でも1-2名の医師で構成される小さな科は、医師の資質が低くても放置されていることがあります。

その時に被害を受けるのは患者さんです。

皆様も、がんの治療に際して十分な緩和ケアを行わない医師は、早々に見切りをつけられることをお勧めします。

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