共通一次試験・・濡らしておいたハンカチの思い出

2014-01-13

今からちょうど30年前、私が高校3年生であったとき成人の日には、共通一次試験が行われていました。大学の入試は、二次試験の結果と合算して合否が決まりました。しかし、あまりに共通一次試験の点数が悪いと、“足切り”と言って2次試験を受ける事さえできませんでした。また2次試験は筆記試験であったため、浪人生が断然有利でした。そのため現役合格のためには、共通一次で良い点数を取っての先行逃げ切りをする必要がありました。

そんな共通一次の試験の前に、あまり好きでない化学の先生が、『試験中には突然パニックなることがある。そんな時にはハンカチを前もって濡らしておき、顔を拭いて冷静になりなさい』と訓示されました。それを聞いて『濡らしたハンカチを机に置いたら、解答用紙が濡れてしまう!』と反感を持ったものでした。

しかし試験当日、なぜか指示に従いハンカチを濡らしておいたのです。なぜ素直に指示に従ったのか、その時の自分の思考回路が不思議でなりません。

1日目の試験には数学がありました。共通一次の数学は比較的平易な問題が多いため、理系の受験生は、満点もしくは最低でも90%は狙いにいくものでした。試験は大問が5つで構成されています。1問目は順調に解答したのですが、2問目が分かりません。飛ばして3問目を取組んでもやはり解答が出ません。その時点で、1時間が経過しています。試験時間が半分終わって200点中の40点分しか解答できていません。さすがに焦ってきます。このままでは、この1科目だけで浪人決定です。その時に、化学の先生の言葉を思い出しのです。濡れたハンカチで顔を拭うと、周りの受験生のページをめくる音が激しく聞こえてきます。そこで気が付いたのです。『通常、数学の問題ではページはそれほどめくりません。これだけ皆がページをめくっていることは、この数学は例年になく難しんだ!』と確信しました。途端に気持ちが落ち着き、4問目と5問目は簡単にクリア。再び2問目に戻るとこれもクリア。さすがに3問目の時間はなかったのですが、比の問題であったため、勘で3:1と解答するとこれも正解。結果的に数学は192点を確保できました。


長谷川嘉哉監修の「ブレイングボード®︎」 これ1台で4種類の効果的な運動 詳しくはこちら



当ブログの更新情報を毎週配信 長谷川嘉哉のメールマガジン登録者募集中 詳しくはこちら


その後の共通一次および二次試験も何とか終了して無事合格、現在に至ります。あの時、素直に先生の指示に従った自分の行動は、何か大きな力に導かれたようにさえ感じます。そのため、自分お子供達には受験の際にはハンカチを濡らしておくように指導しています。受験生の皆様には受験に失敗して涙で濡らすより、先に水で濡らしておかれることをお勧めます。

長谷川嘉哉監修シリーズ