平成23年9月11日(土)名古屋国際会議場で、学研セミナー『実践認知症高齢者を支えるケア』を行いました。
名古屋国際会議場には学会等で何度も行ったことはあるのですがいつもは中規模の会議室ばかりでした。
この日は、国際会議室の素晴らしい部屋で講演をさせて頂きました。
天井も高く、参加者さんの椅子もテーブルも最高級で、とてもゆったりしていました。
10時から16時に及ぶ長兆場でしたが、皆さん真剣に聞いていただきました。
参加者の中には、認知症認定看護師の方も見えたようで、メールもいただきました。
多少はお役にたてたようです。主催頂いた、学研メディカル秀潤のスタッフには感謝です。
今年発売された認知症の新薬によって、認知症の治療には相当のバリエーションが出てきております。
特に、今まで以上に早期診断が重要となっています。
しかし当院の認知症専門外来でも、せっかく軽症の頃に病院にかかっても認知症の診断を受けることなく、進行してしまった患者さんもみえます。
早期の段階でもアリセプト、レミニール、リバスタッチテープなど選択肢が増えています。
診断後も、定期的に進行度をチェックし、アリセプトなら10㎎、レミニールなら12㎎を積極的に使用していきます。
もちろん、当院の場合は、遺伝子検査である、APOEフェノタイプの測定も補助診断に用い、治療に差異を付けています。
また、認知症の周辺症状の治療もメマリー出現により大きく変わりました。
従来は抗精神病薬少量投与を行っていましたが、それ以前にまずメマリーで、かなりコントロールが可能です。
まさにメマリーにより、周辺症状の治療方法が変わったともいえます。
当院ではすでに、100例以上のメマリーの処方経験をしており、ご家族には『メマリーにより穏やかになった』とよく言われます。
確かに、専門外の医師の認知症の診断技術の向上も重要ですが、これだけバリエーションが豊富になると、専門の医師との差は広がる一方だと思います。
やはり、身内を何とかしたいと考えられるご家族には、専門医の受診が望まれます。
現在、当院の認知症の登録件数は、某大学病院の数を上回っています。
これも認知症という分野特有の現象です。