血糖値スパイク(食後高血糖)・検診の結果が正常だけでは安心できないと専門医も体感

血糖値スパイク(食後高血糖)・検診の結果が正常だけでは安心できないと専門医も体感

現在糖尿病人口は、1000万人を超え、予備軍を含めると2000万人とされています。そんな糖尿病にはできたら罹りたくないものです。そのため定期的に健診を受け、血糖値の値から糖尿病でないと診断され安心されている方も多いのではないでしょうか? ところが、正常と判断された人の中に血糖値スパイク(食後高血糖)といって隠れ糖尿病の患者さんがいることが分かってきました。

実は、私自身も以前に紹介したある方法で、「血糖値スパイク」があることが分かりました。今回の記事では、自身も血糖値スパイクがある認定内科専門医の長谷川嘉哉が、患者さん目線で解説させていただきます。なお、血糖値の単位は、mg/dLです。

目次

1.血糖値スパイク(食後高血糖)とは?

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血糖値スパイクが起きている例。血糖値が急上昇したあとに急降下します。(出典:diabetesselfmanagement.com

血液中のブドウ糖は、脳や筋肉のエネルギーになる重要な栄養素であり、それを測定したものを血糖値と言います。その血糖値が、高い状態が続くと糖尿病と診断されます。

血糖値は、正常では緩やかに上昇しますが、急激に変動する方がいらっしゃいます。健康な人であれば、食事をすると一時的に血糖値が上がりますが140を超えることはありません。ところが、血糖値スパイクの方は、食後急激に上昇し140を超えて、急激に正常値に戻ります。そんな変動をグラフにすると、スパイク(=くぎ)のようにとがった線を描くので、血糖値スパイクと名付けられました。

私の場合も、おにぎりを2個食べた後に、血糖が200を超えてしまいました。まさに血糖値スパイクでした。血糖値スパイクは、糖尿病と診断される前段階ですが、時間が経つと正常値に戻るため、放置される危険性があります。

2.検診で正常でも安心できない理由

血糖値スパイクは、健康診断で正常と判断されている人の中にも隠れていることが分かってきました。その理由をご紹介します。

2-1.検診は、空腹時に行なっている

健康診断では、空腹で採血を行います。その結果、空腹時血糖値が126以上であれば「糖尿病」、空腹時血糖値が110未満であると「正常型」、110以上126未満であると「境界型」とされます。しかし、空腹時血糖が正常でも、食事を取った後にどうなるかはわかりません。つまり血糖値スパイクを否定することはできないのです。

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検診で血糖値の検査は空腹時に行うことがほとんどです

2-2.HbA1cの測定でも血糖値スパイクは診断できない

検診では、空腹時血糖以外に、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を測定します。HbA1cとは、検査前1〜2か月の血糖値の平均数値です。しかし、血糖値スパイクの患者さんの中には、HbA1cが正常な方がたくさんいらっしゃいます。

2-3.血糖値スパイクは年齢も関係ない

つまり、血糖値スパイクは、空腹時血糖とHbA1cの両方が正常でも否定はできないのです。まさに、自分自身もこのパターンであり、糖尿病については大丈夫だと思っていたので、少しショックを受けました。ちなみに、私の患者さんで30歳の女性も、空腹時血糖とHbA1cの両者とも全く異常がないのに、血糖値スパイクを認めました。どうも、年齢や食生活などの環境に関係なく血糖値スパイクが存在しているようです。

3.血糖値スパイクが怖い5つの理由

血糖値スパイクはなぜ怖いのでしょうか?

3-1.心筋梗塞や脳梗塞の頻度が増加

血糖値スパイクのよって、血糖値の急激な変動が繰り返されると血管も内皮を傷つけることが分かっています。その結果、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすくなるのです。

3-2.糖尿病に移行

食後の急激な高血糖は、インスリンを分泌する膵臓に負担をかけることになります。その結果、放置することで糖尿病に移行する確率が高くなります、まさに血糖値スパイクを呈する方は、糖尿病予備軍である自覚が必要になります。

3-3.アルツハイマー型認知症の原因に

アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを分解する酵素は、インスリンを分解する酵素でもあります。血糖値スパイクによって、血糖を下げるためのインスリンが大量に使用されると、その分解に手一杯になり、アミロイドβの分解にまで手が回らなくなります。結果としてアミロイドβがどんどん蓄積してしまうのです。糖尿病と認知症の関係については以下の記事も参考になさってください。

3-4.がん発症の危険性増大

血糖値スパイクによって、多量に分泌されるインスリンには細胞を増殖させる働きがあります。そのため、癌細胞をも増殖させてしまい、癌の発症につながるリスクが指摘されています。

3-5.血糖の変動で集中力が低下

血糖値が急激に上昇すると、強い眠気が起こります。逆に急激な低下時には、強い空腹感、イライラ感、集中力に低下が引き起こされます。仕事の能率や集中力を維持するためにもなるべく急な血糖値の上昇下降は抑えたいものです。

4.血糖値スパイクの有無を診断する方法とは

ご紹介したように血糖値スパイクはできたら見逃したくないものです。仮に検診で正常でも、一度は以下の検査をお薦めします。特に、糖尿病の家族歴のある人は必須です。

4-1.食後2時間での採血

検診での空腹時血糖がが正常でも、あえて食後1時間、もしくは2時間で血糖値を測定してもらいましょう。この数値が140を超えていれば、血糖値スパイクがあると判断します。

4-2.75g経口ブドウ糖負荷試験

より詳細な検査を希望される場合は、75g経口ブドウ糖負荷試験が有効です。この検査は、朝まで10時間以上絶食した空腹の状態で採血し、血糖値を測ります。次に、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの)を飲み、ブドウ糖負荷後、30分、1時間と2時間後に採血し、血糖値を測るという検査です。全部で4回採血をする必要がありますが、血糖値スパイクを診断するには有効です。


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4-3.手軽で最も効果的!おすすめの診断方法はFreestyleリブレ

フリースタイルリブレを用いた、リアルタイム血糖値測定

血糖値スパイクを見つける最も効果的な方法は、Freestyleリブレです。FreeStyleリブレは、間質液中のグルコース濃度を測定します。センサーを皮膚に貼って、服の上からでもリーダーを当てると血糖値が測定できます。痛くもありませんし、何度でも測定できます。食事前、食後もきめ細かく測定ができます。ちなみに私は、これで自身の血糖値スパイクが見つかりました。なお、Freestyleリブレについては以下の記事も参考になさってください。

5.血糖値スパイクを引き起こさない!そのための食事の摂り方とは

血糖値スパイクを改善するには、食事療法が有効です。以下に紹介をしますが、私の経験では、一つの方法で完全に改善することは難しく、すべてを組み合わせる必要があります。

5-1.食事に時間をかける

私が、個人的に最も効果があった方法です。ゆっくり食事をすることです。血糖値スパイクが分かってからフランス料理やイタリア料理にでかけたのですが、高カロリーなのに、血糖値スパイクは見られませんでした。要因としては、ゆっくりと食事をすることで急激な血糖の上昇が抑えられたようです。

5-2.繊維を先に摂取

野菜や海藻といった繊維を最初に食べることで、小腸に栄養吸収を緩やかにするクッションのような状態がつくられることで血糖値スパイクを緩やかにします。同様の効果は、白米より玄米でも見られます。また、鍋物で野菜を食べた後の雑炊では、殆ど血糖の上昇は認められませんでした。

5-3.糖質を減らす。糖質オン糖質は禁忌

糖質自体の摂取を減らすことが重要です。特に、「ラーメン+チャーハン」、「うどん+おにぎり」、「やきそば+白米」といった糖質オン糖質は避けましょう。お弁当などでは、白米は、半分から1/3は残したいものです。ただし、完全な糖質制限は、他の疾患のリスクが高まりますから避けてください。糖質制限ついては、以下の記事も参考になさってください。

5-4.食事を抜かない

食事を一食でも抜くことは、長い空腹期間ができてしまいます。その後に、食事を摂ると血糖値スパイクが起きやすくなります。1日3食きちんと食べている時には、血糖値スパイクがなかった人が、朝食を抜くことで、血糖値スパイクが発生するという報告もあります。つまり、食事を抜くことが、血糖値スパイクをおこしやすくしてしまうのです。1日3食はきちんと取ることが基本となります。

5-5.口中調味が危ない

日本人は、白米とおかずを一緒に口の中に入れて食べる、「口中調味」という食べ方をします。この方法では、食事の最初から糖質である白米を食べることになるので、血糖値スパイクが起こりやすくなります。日本料理のように、一品ずつ食事をして、最後にご飯を食べる方法が血糖値スパイクを抑えます。

6.食後の運動で血糖値スパイクを予防する

血糖値スパイクを抑えるには、食後の運動がお薦めです。私も個人的に行っていますが、運動だけで完全に血糖値スパイクは抑えられません。先ほどご紹介した、食事のとり方と組み合わせることが大事です。

6-1.軽い有酸素運動

食後に、軽い散歩は血糖値スパイクを抑えます。食後15分間は、食べ物の消化吸収のために、胃や腸に血液が集まります。その時に、身体を動かすことで血液が手や足の筋肉にも使われることで、消化・吸収が遅くなります。休日であれば、食事の軽い運動がお薦めです。

6-2.筋肉トレーニング

血糖値の上昇は、筋肉でブドウ糖を消費することで抑えられます。特に、全身の筋肉の7割を占める下半身の筋肉を動かすことは有効です。そのために食後の、階段の上り下りや、スクワットがお薦めです。

6-3.ブレイングボードもお薦め

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4種類の運動が乗ったまま短時間でできるブレイングボード®

日々の生活では、食後の運動やスクワットもなかなか行いにくいものです。そんな方には、ブレインググループが開発したブレイングボード®もお薦めです。ブレイングボード®は、「有酸素運動」「筋力トレーニング」「柔軟性向上」「バランス性向上」の4つの運動がわずか5分でできてしまいます。特に、有酸素呼吸運動だけでなく、筋力や柔軟性・バランスを改善することで血糖値スパイクを予防します。私も、昼食後には必ず行っています。

ブレイングボード®は下記のサイトからお求めいただけます。

7.服薬が必要な場合も

食事を気をつけても、運動を頑張っても血糖値スパイクが改善しない場合は、主治医の先生に相談をしましょう。現在糖尿病の薬には、多くのバリエーションがあります。その中には、食直前に服薬することで血糖値スパイクを改善する薬があります。

同じお弁当を食べても、ある人は血糖値が140、自分は180という理不尽さも感じましたが、これも体質で止むを得ません。必要ならお薬の力を借りることも大切です。

8.まとめ

  • 検診で空腹時血糖やHbA1cが正常でも、血糖値スパイクがみられる方がいます。
  • 血糖値スパイクは、心筋梗塞・脳梗塞・認知症・癌の発症にもつながります。
  • 血糖値スパイク改善には、食事療法と運動療法を組みわせることが大事です。
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