先回、お話したハンマー一つとっても、使いこなすには先輩医師による指導が必要です。
私の場合は、大学での研修の際に、現在の名市大神経内科教授、小鹿幸生先生の指導を受けました。
当時は、土曜日の午後に、“小鹿回診”といって、入院患者さん全員の回診をしたものです。
当時は、折角の土曜日の午後がつぶれるので、あまり乗り気ではなかった記憶があります。
しかし小鹿先生は、我々のやる気のなさにめげることなく、情熱的に指導いただきました。
平日の夜には、脳波やCT、MRIの読み方も教えて頂きました。
これも仕事が終わった夜の指導であったため、あまり乗り気でなかった覚えがあります。
しかし、現在、神経内科の専門医として診療できているのは、小鹿先生に教えていただいた知識・技術の
お陰であると感じます。
振り返ると、当時の小鹿先生は、現在の私の年齢に近かったのです。
小鹿先生自身も相当忙しかったはずです。
その中で、若い医師に対して、無償の指導をされた事は、凄いことであったと思います。
平成24年3月18日【日】はマリオットアソシアホテルで、小鹿先生の退職記念祝賀会が開かれました。
参加者も150名近くの大変盛大なものでした。
このような会では、偉い先生の祝辞が続きます。
しかし、そこは喋り慣れた先生方です。
祝辞といえども、決められた時間で素晴らしい内容の話をされ、私も思わずメモを取るほどでした。
祝辞からは、あらため小鹿先生の、何事にも手を抜かない真摯な態度が評価されていたようです。
そんな小鹿先生も家ではとても穏やかで、まるい方だという奥様の話は印象的でした。
そして最後に、小鹿先生が、来賓の方々への御礼とともに、奥様へ感謝の言葉を述べられて時は、
とても感動的でした。
改めて、小鹿幸生先生に感謝します。