日々の外来をやっていると、年代によって夫婦の関係性の違いには驚きます。特に「奥様を奴隷のごとく使って、自身では何もしない高齢男性」には同じ男として嫌悪感さえ感じます。しかし最近では女性の社会進出が増え、2019年には共働き世帯が専業主婦家庭の2倍以上になる など、社会のスタンダードは完全に変わりました。そんな時代には、新しい夫婦の対話が必要になります。この本は、世代関係なく、どんな夫婦でも、とてもとてもとてもためになる本です。超お薦めです。
- 男性は仕事を頑張って稼ぐ。 女性は家事と子育てをする。 そんな時代は終わり、性別で役割を定める時代ではなくなりました。
- 仕事と家庭を両立し、自分らしい人生を送ることはできます。 むしろ、家庭関係が良好な人は、仕事の理想も叶えています
- 協力して理想を実現している人はみな、 パートナーと対話してお互いのビジョンを共有し、 課題を明確にして、解決に向けて取り組んでいます
- パートナーと対等の立場で、 ともに家庭を運営する「共同経営者」になる。 そして、「家庭の経営会議」を開いて、 運営方針について相談する。 そんな対話によってふたりは協力して理想を叶える、「最高のチーム」になれる
- 「家庭と仕事は二者択一のものではなく、両立できる」
- ふたりの関係性がうまくいかくなってしまう最大の理由は、「パートナー選びが悪いから」ではなく、「価値観がすれ違ったときや、困難に直面したときに、建設的な対話ができなかったこと
- 対話とは、「価値観の共有」です。 異なる価値観を理解するために、「お互いの意見や考え」「それぞれを取り巻く状況や背景」などの情報を共有する。
- ドラマや漫画の そういった物語の多くは、両思いになったり結婚したりと、「結ばれる」場面で完結します。 その先にどう関係を維持していくかも大切なのに、 あたかも「付き合う」「結婚」がゴールであるかのように描かれがち
- ふたりが家庭の「共同経営者」になるために大事なポイントは、次の4つです。 ❶ ビジョンを共有する ❷ 優先順位を決めて実行する ❸ 迅速に情報共有する ❹ PDCAを回す
- そもそもどんな生き方や働き方をしたいのか、家庭を築きたいのか、根本の部分を話し合えていない家庭は多い
- 相手に伝えたいことを4つのポイントにまとめて表現する、「DESC法」という方法があります。4つのポイントは次のとおりです。 ❶ Describe:客観的な状況の説明 ❷ Express:主観的な気持ちの表現 ❸ Suggest:具体的な解決策の提案 ❹ Choose:選択する
- 衝突を避けることと、仲が良いことはイコールではありません
- 家庭運営をしている共働き夫婦は、「無責」で問題を捉えて「仕組み」で解決する方法を見つけるのが上手
- 積極的に外部サービスを利用することも、勇気を出してストレスフルな職場を辞めることも、家庭を大切にするためには重要
- パートナーと対話する前に、まずは自分との対話によって、本音を探ってみてください。
- 全体的な家事の総量が、ふたりが家事に割ける時間と合っているか、業務過多なバランスになっていないかを見直してみてください。 そのうえで取れる選択肢は次の3つです。 ❶ そもそもの家事の量や質を見直す ❷ 外注する ❸ 家事の分担を見直す