「桑の葉茶」の糖尿病への効果を総合内科専門医が解説

「桑の葉茶」の糖尿病への効果を総合内科専門医が解説

外来をやっていると時々、突然症状やデータが改善させる患者さんがいらっしゃいます。そんな時にお伺いすると、「サプリや身体に良いと言われている食材を摂取し始めた」と言われます。もちろん、本当に効果があるのか? 誰にでも効果があるのか? 他の要因の影響では? などの疑問はあります。そんな中で、これは結構効果があるのでは?と感じたものが、「糖尿病に対する桑の葉茶」です。今回の記事では、総合内科専門医の長谷川嘉哉が、桑の葉の効能についてご紹介します。

目次

1.桑の葉とは?

桑の葉

桑の葉は、日本各地に自生するクワ科の落葉樹です。桑の葉は蚕のエサとして古くから使われてきた植物で、お茶として飲む習慣もありました。桑は葉だけなく、桑の枝や根の皮、桑の実などが漢方薬として古くから使われてきました。漢方では桑の葉を中薬として分類されています。

*中薬:人に応じて無毒と有毒とがあり、適宜配合して、病を防ぎ、体力を補う。

2.桑の葉の歴史

桑は、昔から薬と認知されていたようです。今から1300年前唐時代の「食療本草」にも「桑をお茶代わりに飲めば口渇をとめる」と書かれています。また、日本で最初の茶書である、栄西著「喫茶養生記」には、桑粥桑湯を服用すれば数日で飲水病(現代の糖尿病とのことです)に効果を示すと書かれています。具体的には以下のような記載です。

飲水の病、中風・手足心に従わざる病、不食の病、瘡病、脚気の病は、皆末世鬼魅の致す所なり。皆桑を以って治する事は、頗る口伝を唐医に受くるあり。又桑の樹は、諸仏菩薩の樹なり。此の樹をたずさえれば、天魔を猶お以て競わず、況んや、緒余の鬼魅、附近せんや

千年以上前から、「桑はお茶代わりに飲めば糖尿病に効果がある」と認知されていたようです。

3.桑の葉の効果

桑の葉には以下のような効果が分かっています。

3-1.糖尿病

桑の葉に含まれる、1-デオキシノジリマイシン(以下、DNJ)という成分によって、糖の吸収を抑制し血糖値を下げる働きがあることが明らかになっています。DNJは化学構造が、ブドウ糖(グルコース)に似ているため、小腸内の分解酵素がDNJに結合することで糖の吸収を遅らせます。桑の葉は、DNJを自然界で唯一多量に含んでいる植物といわれています。

3-2.便秘の改善

桑の葉には繊維が豊富に含まれています。そのうえ、DNJ の働きで小腸で吸収されなかった糖質は、大腸で分解され、その際に発生する炭酸ガスや水素ガスによって大腸が刺激されて便通が改善します。実は、私も桑の葉をお茶で摂取しているのですが、便通の改善を実感しています。


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3-3.ビタミンが豊富

桑の葉には、ビタミンも豊富です。ビタミンAはほうれん草の10倍、ビタミンB1、ビタミンB2はケールの約2倍、ビタミンEは約10倍、カルシウムが牛乳の23倍、鉄は小松菜の8倍も含まれています。

3-4.動脈硬化の抑制

桑の葉には、ケルセチン3-マロニルグルコシド(以下Q3MG)が含まれています。Q3MGは動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール(=LDL)の酸化を押さえます。

3-5.老化予防

桑の葉には、高い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であるルチンを含みます。ルチンにはビタミンCの吸収を助け、皮膚や血管を健康に保ち、老化を予防する効果があります

4.桑の葉茶の効果・・長谷川の実体験

私は、血糖値スパイク(=食後高血糖)をもつ総合内科専門医としてリアルタイム血糖値測定器「フリースタイルリブレ」を装着しています。そのため血糖値をすぐに測定することができます。食事の際に、桑の葉茶を飲むと明らかに食後の血糖値が下がることを数値として体験しています。

5.ブレイングループで発売中

現在、糖尿病の患者さんは、前段階の方も含めると2000万人とされています。そんな方々に、私も体験している桑の葉の効果をお伝えするために、ブレイングループでは安心できる桑の葉茶の販売をしています。ブレイングループの商品「おいしい桑の茶」では、桑の葉だけではなく、糖の吸収を抑える低分子の炭水化物(難消化性デキストリン)も配合しました。食事と一緒に飲むことで、ダブルの効果で、より血糖の上昇を抑えることが期待できます。

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6.まとめ

  • 桑の葉は、蚕の餌であるだけなく薬としても用いられていました。
  • 糖尿病への効果は、1000年以上前の書物にも紹介されています。
  • 桑の葉茶を食事と一緒に摂取すると、食後高血糖も減少させることができます。
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