先回ご紹介した脳ドックで、幸い動脈瘤が見つかる方が見えます。
動脈瘤のサイズが大きければ手術になります。
しかし、サイズが小さければ経過観察となります。
動脈硬化性変化を進行させないために、血圧を中心とした生活習慣病のコントロールは欠かせません。
さらに、飲酒や喫煙といった生活習慣の改善も大事です。
その中でも禁煙は必須です。
正直、すべての医師が、この段階では禁煙を勧めます。
それでも、やめられない残念な方が見えるのです。
破裂すれば、突然死は免れない部位の動脈瘤が見つかった40歳代の患者さん。
家族に内緒で喫煙しています。
本人は隠しているつもりでしょうが、外来受診時でも匂いでばれています。
動脈瘤が見つかった時の、家族の献身的な態度を忘れてしまったのでしょうか?
脳の病気ではありませんが、40歳代で心筋梗塞を起こした患者さんも見えました。
外来では、禁煙していると申告されていました。
訪問診療中に喫煙している姿を街中で見かけました。
我々、医師に嘘をついても意味はありません。
心筋梗塞が再発すれば、今度こそ命を落とす可能性は大です。
若いうちに、死なない程度の病気にかかることはチャンスと言えます。
健康を過信して突然死する方より、チャンスを得たとも言えます。
今までの生活習慣を改めることでかえって長生きすることも可能です。
せっかくのチャンスを無にする人がいらっしゃることが、とても残念です。