『身体中が痛い?』患者さんは、治りません

今年の夏もとても暑かったです。

そのため、『暑い暑い!今年ほど暑い夏はない!』と声を荒らげる人がいます。

はたして今年の夏は、過去にないほどの暑さだったのしょうか?

私は、毎日午後は訪問診療に出かけるため外に出ます。

そして開業以来13年間日記もつけています。

この目で見ると、今年は梅雨の雨が多く、なかなか暑くなりませんでした。

その後は、確かに暑くはなりましたが、8月のお盆前後からは日中は暑くても、朝晩はかなり過ごしやすくなっています。

開業以来、最も暑かった年は、日記によると4月に30度を超えた日さえありました。

つまり、『暑い暑い!』と声を荒らげている方は、国語的な感情で言葉を発しているだけで、算数的な発想ができていないのです。

実は、患者さんの中にも、『身体中が痛い』と訴える方が見えます。

しかし、身体中という部位はありません。

そのため、このような表現をされる方は、まず良くなりません。

この場合は、医師が『頭は痛いですか?右の肩は?左の肩は?腰は?』などと“身体中という言葉”を分解して、質問します。

その質問に答えているうちに、患者さん自身が、痛いのは身体中ではなく、身体の何か所かの部位であることを認識します。

その時点から治療を開始すると、ようやく効果があるのです。

まさに、コーチングの手法とも言えます。

実は、全国でも有名な“痛みをとる診療所”が京都にあります。

実は、その先生の専門は、整形外科でも麻酔科でもなく、精神科だそうです。

治療自体は、ありふれた治療なのですが、徹底して患者さんの話を聞き、質問することで治療効果を上げているそうです。

皆さんも、『暑い暑い!』と声を荒らげている方に、『朝晩はかなり過ごしやすくなりませんか?』と聞いてあげましょう。

めっきり秋の気配が近づいてきたことに気が付いてくれるはずです。

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