海賊と呼ばれた男出光佐三さんが作った、最高の美術館『出光美術館』

2013-03-13

平成25年3月6日は、午後から東京と浜松で講演が予定されていたため前泊して午前中に美術館を巡ることにしました。
特に、先回紹介した“海賊と呼ばれた男”のモデルである出光佐三さんのコレクションを集めた出光美術館はどうしても行ってみたい場所でした。
凄まじい経営をしていながらも、芸術を観る目にも長けていたことは驚きです。

特に、“海賊と呼ばれた男”の文中にも出てくる仙厓和尚(臨済宗古月派の僧)の書画は、禅の境地をわかりやすく説き示す軽妙洒脱でユーモアに富んだものです。出光コレクションでは、国内最大の約1000件を所有しています。残念ながら、訪れた当日には、仙厓さんの作品は飾られていませんでしたが、2013年9月21日から11月4日まで“仙厓と禅の世界”の特殊展示が行われます。

当日は、“オリエントの美術”という企画が行われてました。私としてはあまり関心のある企画ではなかったのですが、出光美術館のオリエントコレクションは、エジプト・イラン・トルコ・地中海を中心に多岐にわたる考古美術品が充実し、国内有数の規模であるそうです。何となく眺めていたのですが、イスラム陶器のコーナーで何とラスター彩の文鉢が多数飾られているではないですか!ラスター陶器は、白釉をかけた上に、またコバルトを含んだ藍釉を地に、銀、銅などの特殊な金属を含む泥状の顔料で器面に文様を描き、低火度で焼き上げた陶器のことをいいます。しかしながら、技術的には17-18世紀ごろに世界的に途絶えてしまっていました。この復元を決意し、その後半生を賭けたのが、岐阜県多治見市の陶芸家加藤卓男氏なのです。加藤氏は、1961年になってペルシャラスター彩に魅入られ、その再現を志され20年かけて日本的感性の加わった加藤ラスター彩が誕生させたのです。

実は私は、岐阜県立多治見病院に勤務していた時に加藤卓男氏の主治医であり。ラスター彩には特に関心がありました。その加藤氏を魅了した、現在では途絶えた本家本元のラスター彩に出会えたことは本当に感激でした。


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そんな感激も冷めやらぬまま、外に出ようとすると、小さなスペースに、ルオーの絵が飾ってるではないですか!!実は、出光美術館のルオー作品は、初代館長出光佐三とルオーの油彩連作《受難》との出会いをきっかけとして蒐集が開始され、現在では質量ともに世界有数のコレクションとして知られているそうです。出光美術館では、、出光佐三の遺志をつぎ、常時3~5点の油彩を中心とした作品を紹介する展示室を設けてるそうです。日本の美術愛好家がいつでもルオーの代表作と接する機会をもてるようにと願った出光佐三の想いは、今も出光美術館に受け継がれています。

仙厓和尚さんの作品から、本物のラスター彩との出会い、そしてとどめは、ルオーの絵。素晴らしいコレクションに感動しました。
皆さん、時には美術館もいかがですか?その中でも出光美術館はお勧めです。

 

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