高齢者への金融リスク商品販売に注意

高齢者への金融リスク商品販売に注意

私は、認知症の初診で、必ずお伺いする質問があります。「何か、騙されたことはありませんか?」です。そして、騙された?相手先で最も多いのが銀行です。銀行も、通常の貸し出し業務だけでは利益が出せないため、金融商品を必死で売り込んでいるのです。

先日、父親から電話。金融商品を勧められているので相談に乗って欲しいとのこと。私自身、FP資格を持つ専門医として多くの方から保険の相談に乗っていますが、実の親からの相談は初めてでした。勧められている金融商品を見てみるととても加入する意味のあるものではありません。それ以上に、リスクだけはあるものです。加入はしないようにアドバイスしました。

私の父親は、今年で86歳ですが、元銀行員で、エージシュートも40回以上達成しているスーパー老人です。金融機関との交渉も問題ないと信じていました。

心配になって、ついでに金融資産も見せてもらうと、投資信託、さらに株式投資までしています。数年前に、株はすべて売ったと聞いていたので驚きです。詳しく話を聞くと、銀行の担当者を通じて購入したとのこと。そもそも80歳以上の方は、商品を薦められても、当日の購入はできません。もちろん、私も姉も聞いていません。それ以上に、販売員は上席と同席して、問題ないことを確認しないと、販売自体出来ないのですが、誰も一緒には来ていなかったようです。

このことを、父親に確認すると

  • 銀行の担当者が、20歳代のとても優しく、親切
  • 購入しにくい株を、わざわざ割り当ててくれた
  • 定期的に顔を出してくれてありがたい

などと、わけのわからないことを言っています。

確認すると、投資信託も株もしっかりマイナスです。とりあえず、担当者に連絡。今後は、正しい取引方法をお願いすると同時に、くぎを刺させてたいただきました。皆さん、高齢者世帯だけになっている親御さんには、金融機関には注意です。

なお、日本証券業協会のガイドラインについてご紹介します。

1.75歳以上を目安として高齢顧客とし,80歳以上を目安としてより慎重な勧誘による販売を行う必要がある顧客とします。


長谷川嘉哉監修の「ブレイングボード®︎」 これ1台で4種類の効果的な運動 詳しくはこちら



当ブログの更新情報を毎週配信 長谷川嘉哉のメールマガジン登録者募集中 詳しくはこちら


2.勧誘可能な商品(国債,普通社債,安定的な投資信託,上場株式等)以外の「勧誘留意商品」については,75歳以上の高齢顧客には役席者による事前承認が必要で,役席者は面談や電話で勧誘の適性性を判断することになります。80歳以上の高齢顧客については,さらに,原則として勧誘日の受注は不可で,営業担当とは別の役席者が受注します。高齢顧客との面談内容は録音等で記録化します。

3.80歳以上の顧客から即日受注を行える例外的な場合としては,家族が同伴で,その家族からも署名を得られた場合や既に保有している同一商品の追加買付の場合,償還により一時的にMMFに入金するような場合などが考えられます。

4.80歳以上の顧客には約定後に約定結果を連絡します。

5.ここで何度も出てくる「役席者」ですが,経験・見識に照らし一定の役職以上の者を指し,管理職者に限定するものではないとされています。

error: Content is protected !!
長谷川嘉哉監修シリーズ