私は、父方母方の双方の祖父、父親、叔父さん、従妹が銀行員です。そのため子供のころから銀行には慣れ親しんでいました。しかし、最近では銀行といっても、店舗を持たないネット銀行が広まっています。実際に、私もネット銀行の楽天銀行を利用していますが、その便利さは特筆すべきものです。今回の記事では、FP資格をもつ認知症専門医の長谷川嘉哉がネット銀行のメリットと、注意点をご紹介します。
目次
1.ネット銀行が急成長中。その実態は
全国の預金残高は、約800兆円です。そのうち、インターネット銀行は約26兆円と僅かです。しかし、最大手の住信SBIネット銀行は7兆円、2位の楽天銀行は5兆円を超えています。特に楽天銀行は、2020年6月から6か月で1兆円増加するという凄い勢いです。
2.ネット銀行のメリットは
店舗や自行のATMを持たないネット銀行ですが、以下のようなメリットがあり、「サービスの悪い従来の店舗型銀行」には戻れません。
2-1.時間関係なく、送金が可能
銀行窓口では、平日の15時までしか送金はできません。通常の銀行のインターネットバンキングも、多くは送金する時間には制限があります。しかし、ネット銀行の場合、平日夜間・土日祝日を含む24時間365日送金が可能です。自分など、休みの日の夕食後に、子供たちの口座に瞬時にお小遣いを振り込んでいます。
2-2.コンビニで入出金可能
ネット銀行には、店舗がありませんが、かわりにコンビニで入出金が可能です。コンビニのATMは、銀行のATMに比べ機能が特化しているので、短時間で入出金が可能です。それ以上に、24時間365日利用可能な点が魅力です。
2-3.各種手数料も安い
手数料については、預金残高、入出金の額により異なりますが、店舗型の銀行よりは安いです。やはり、人件費や家賃といった経費が抑えられる点が大きいようです。3万円以上の入金であれば基本的には、無料。出金も決められた回数までは無料であることが多いようです。ちなみに楽天銀行の場合、100万円の残高を入れておけば、ATM利用手数料は5回/月が無料、他行振込手数料は3回/月無料です。
2-4.入出金がメール通知
個人的にはこれが最も気に入っています。コロナ禍では、全国民に10万円が特別定額給付金として給付されました。TVでは、毎日、銀行に入金の確認に行く人の映像が流されていました。ネット銀行なら入金されたことがメールで通知されますので、無用なストレスからは解放されます。ちなみに、私は2020年7月のGo To トラベルの給付金も、入金が半年後の2021年1月でしたので、とても役立ちました。
2-5.スマホアプリでいつでも閲覧可能
ネット銀行の場合、スマホのアプリでいつでも残高が確認できます。これであれば、通帳発行も不要です。
2-6.窓口で、ぼったくり商品を押し売りされることがない
ネット銀行を中止にすれば、銀行の窓口に行く必要がありません。正直、預金残高のある人が銀行の窓口に行くと、「個人が損して、銀行だけが儲かる投資信託」を売りつけられます。これを回避できる点もメリットかもしれません。何しろ、銀行の窓口で販売している投資信託は、ほぼ100%「ぼったくり投資信託」なので注意が必要です。
3.ネット証券との相性が抜群・・金利0.1%!!
ネット銀行の上位、住信SBIネット銀行と楽天銀行はいずれも、ネット証券との相性が抜群です。コロナ禍のなか、世界中でお金を刷りまくっているので、今後はインフレが必至です。そのため、投資をしないことが最大のリスクになると思われます。
私も楽天銀行に楽天証券をリンクさせていますが、入出金は一瞬で終わります。その上、楽天証券とリンクさせると楽天銀行の普通預金が0.1%になります。通常店舗型の普通預金の金利は年0.001%ですから何と100倍です。自分も、1000円単位の利息が入っていると少し嬉しくなっています。
4.注意点
メリットだらけのネット銀行ですが、注意点もあります。
4-1.最低限のネットリテラシーが必要
やはり、最低限のインターネットを使いこなすネットリテラシーが必要です。ネットリテラシーとしては、使いこなすだけでなく、偽メールによってだまし取られないことや、コンピュータウイルスから情報を守る術も知っておく必要があります。また、スマホだけでなく、パソコンからもアクセスできるようにしておくことも大事です。
4-2.ログインIDとパスワードの管理が重要
ログインIDとパスワードが最重要になります。これらが分からなくなると、アクセスもできなくなります。きちんと管理しておくことが大事です。実際には、スマホなどに登録してしまうので管理がおざなりになりがちですので注意が必要です。
4-3.家族に存在を知らせておく
万が一に備え、家族にはネット銀行の存在を知らせておいてください。存在が分からないと相続されずに放置され、10年後に休眠預金として没収される恐れがあります。なお、ログインIDとパスワードもが分からなくても、ネット銀行の相続手続きは可能です。
5.まとめ
- これからの銀行取引は、ネット銀行を中心にされることをお薦めします。
- このメリットを知ると、店舗型には戻れません。
- ただし、ログインIDとパスワードの管理と、存在を家族に知らせておくことは必須です。