FP資格を持つ認知症専門医がエーザイ株の購入を勧めない理由

FP資格を持つ認知症専門医がエーザイ株の購入を勧めない理由

株式市場では、エーザイの株が失望売りされているようです。

目次

1-1.エーザイ株は失望売り

2020/4/23 の日本経済新聞の記事を紹介します。
エーザイ株が急落している。一時、前日比816円(10.5%)安の6951円まで売られた。米バイオ製薬大手のバイオジェン(@BIIB/U)と共同開発しているアルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の承認の申請が遅れることが分かり、失望感から売りが膨らんだ。
バイオジェンは22日、アデュカヌマブを2020年7~9月期中に米食品医薬品局(FDA)に承認を申請すると明らかにした。当初は20年の早い段階で申請する計画だった。時期が遅れたことに対する失望売りで、バイオジェンは22日の米株式市場で急落していた。エーザイについても「アデュカヌマブへの期待感が上昇をけん引してきただけあって、申請遅れへの失望は大きかった」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)。

2.そもそもエーザイ株は上がったり下がったり

そもそもエーザイの株は、アデュカヌマブで上がったり下がったりしています。いったんは認知症治験薬として期待され上昇、その後2019年3月に治験の中止によって、大幅に下落しました。

その後、対象を調整し、高用量投与群増やすことで、当初の解析とは異なる結果が得て、株価は上昇。そして今回、再度の下落です。

まさに、ニュースによって上がったり下がったりです。

3.エーザイの新薬は、認知症への適応ではない

誤解してはいけないのは、アデュカヌマブはアルツハイマー型認知症に効くわけではありません。効果が認められたのは、認知症前段階のMCI(軽度認知障害)を対象として、安全上許される高容量を投与した場合だけです。

FP資格をもつ認知症専門医としては、アデュカヌマブ期待のエーザイ株購入はとてもお薦めできません。


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4.株は長期保有したいもの

FPの立場から言うと、ちょっとしたニュースで株を短期で売ったり、買ったりすることはお勧めではありません。できれば、景気が悪くなって株価も下がったようなときに、世界経済の成長を信じて購入。その後は、長期に保有することが、資産形成上はお得です。

さらに認知症専門医の視点からしても短期売買による一喜一憂は脳的にも健全ではありません。いったん購入した株は、いったんは忘れてしまうぐらいの長期視点で持って取り組むことがお薦めです。

5.まとめ

  • アデュカヌマブのニュースによって、エーザイの株価が上下しています
  • アデュカヌマブは認知症には効果がなく、MCI(軽度認知障害)にしか効果が認められません。
  • FP資格をもつ認知症専門医としては、アデュカヌマブ期待のエーザイ株はお薦めできません。
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