先日、厚労省による『死亡場所別の死亡者数の年次推移と将来推計』の資料をみました。
現在年間108万人程度の方が亡くなっていますが、15年後の2030年には約160万人の方が亡くなるのです。
まさに、死亡者数が急増する『多死時代』を迎えると予想されています。
それでは、人はどこで死ぬのでしょうか?
現在の病院中心では受皿が絶対的に不足することが明らかです。
厚生省は、自宅での死亡を1.5倍にすると予想していますが、現在12万程度の自宅での死亡者数が20万程度に増えるだけで、焼け石に水です。
核家族化が進み、在宅で家族が診ることは一層厳しくなると予想されます。
しかし、厚生省は、病床数をこれ以上増やす計画は持っていません。
そこで受け皿の主役として想定されているのが、有料老人ホーム、グループホームやサービス付き高齢者住宅です。
厚労省が推計した2030年の死亡場所別死亡者数は、「自宅が20万人、介護施設+高齢者住宅が56万人、医療機関が89万人」です。この数値から、厚労省は、『増加した死亡者分を、病床数を増やさず、介護施設や高齢者住宅での看取る方針』なのです。
2000年4月にスタートした当グループによる“訪問診療と訪問看護による在宅見取りも、当初は自宅だけで開始しました。
最近ではグループホームや有料老人ホームからの依頼件数が急増しており、最近では自宅患者さんの数を超えています。
まさに、“介護施設や高齢者住宅”にシフトしている点は厚労省の資料通りだと感じました。
みなさんも自分自身がどこで亡くなるのか、もしくは亡くなりたいかのイメージを持って、ご家族と話し合っておくことをお勧めします。