開業して間もなく、やはり父親から納税用の銀行口座を作るように指導されました。毎月一定額をその口座に入れておくのです。そうすると、確定申告の際に、その口座から納税を行うことができます。サラリーマンの方には理解できないかもしれませんが、通常納税にはスケジュールがあります。確定申告をすると、3月15日【振替日は4月22日】までに所得税を納付します。さらに納めた所得税から算出される予定納税基準額の3分の1の金額を、第1期分として7月中に、第2期分として11月中までに納めます。さらに住民税の通知が6月に来ます。額が少ないうちは一括で払いますが、多くなると6月、8月、11月、1月末の4回に分けてに払います。
つまり、4月、6月、7月、8月、11月に2種、1月と1年中、納税しているわけです。そこに不動産でも所有していれば、固定資産税を6月中【4期に分けると、5,7,10,12月】に収めますので、法人だけでなく個人でも計画的にキャッシュを準備する必要があります。そのために、納税用の銀行口座に毎月入金をして1年間計画的に支払う必要があるのです。
『芸能人がいきなり売れた時に、稼いだお金をすべて使ってしまうと、翌年税金が払えなくなる』という話も理解ができます。情けないことですが、医師会の広報でも毎年3月号では、4月末に納税用の短期の融資の案内が掲載されています。これも納税用の資金が足りなくなる医師が、存在している証明かもしれません。
また脳科学者として有名な茂木健一郎さんの記事も驚きでした。紹介すると、『2009年(平成21年)11月、3年間で約4億円の所得の申告漏れを指摘された。追徴税額は1億数千万円。2、3年前に税務署から申告を求められたが申告をせず、税理士に税務処理を依頼することもなかった。茂木自身は「無申告」となった理由として、多忙な仕事に追われた結果、増加する印税や講演料等の雑所得の管理との両立ができなくなり、税務処理を依頼する税理士を探す暇も取れなかったと、取材に答えている。』 脳の使い方を提唱している茂木さんにしてはあまりにお粗末です
納税は、究極の社会貢献です。払う時も計画的にスマートに払いたいものです。