看過できないチュートリアル徳井氏の「悪質な脱税」その内容は

看過できないチュートリアル徳井氏の「悪質な脱税」その内容は

開業したてのころ、尊敬する経営者の方の講演を聞きました。その方の最初の言葉が、「私は、毎日30万円の税金を納めています」との発言でした。つまりその経営者は年間に1億円の税金を払っていたのです。正直、周囲の方々の「税金を払いたくない」、「税金をうまくごまかせた」などの話はよく聞いていました。そんな中で、堂々と納税している経営者さんの姿に感動したものです。

さて先日、チュートリアルの徳井義実さんの、税務無申告がニュースになりました。しっかり稼いで納税することは、国民の義務であると同時に、社会貢献にもつながります。徳井さんは、私とは違ってこれまでの人生で「格好良く税金を納める素敵な人」との出会いがなかったのかもしれません。今回の記事では、徳井さんのケースを検証するとともに、納税についてご紹介します。

目次

1.徳井さんのケースとは

徳井さんのケースを改めてご紹介します。徳井さんは、2009年に個人で会社(チューリップ社)を設立。タレント活動に基づく収入は、すべてこのチューリップ社に入れていたようです。もちろん会社ですから納税義務がありますが、以下のようにほとんど申告をしていなかったようです。

  • 2010年3月から2012年3月期分:各年の申告期限内に申告をしていなかった。税務署から指摘を受けたことで、3年分を併せて2012年6月に申告した。
  • 2013年3月から2015年3月期分:各年の申告期限内に申告をしておらず、同様に税務署からの指摘。再び3年分を併せて2015年7月に申告。ただし、当初、税務署からの再三にわたる督促にもかかわらず手続き怠慢により納付をしていなかったため、2016年5月頃に銀行預金を差し押さえられるに至った。
  •  2016年3月期乃至18年3月期:申告漏れ及び未納が重なったこともあり、チューリップ社は2018年9月頃に国税局の税務調査を受けた。
bank book account
銀行預金の差し押さえを受けることもあったようです

2.重加算税はどのような場合に適応?

今回の税務署より加算された「重加算税」は、かなり悪質なケースに適応されます。きちんと税務申告している企業でも、税務調査で会計処理のミスを指摘されたり、経費を認められなかった場合などは、それほど悪質とは見なされず、過少申告加算税となります。

一方で、意図的で悪質とみなされると、今回の徳井さんに適応された重加算税という最も重いペナルティになります。重加算税となると企業の場合、印象も悪くなります。まさに徳井さんのケースも相当悪い印象を残したものです。

3.過去のケースと比較すると?

実は、徳井さん以外にも税金で問題となった有名人がいらっしゃいます。それぞれに悪質さに違いもあり、処分にも違いがあるようです。

3-1.茂木健一郎さんの場合

茂木健一郎さんは、東京国税局の税務調査を受け、2008年までの3年間で約4億円の申告漏れを指摘されました。追徴税額は、無申告加算税を含め計1億数千万円に上りました。申告しなかった理由は、「何十年も自分一人で確定申告してきました。ここ数年、忙しくなって、申告書類が膨大になり、あまりに忙しく仕事に追われるようになり、申告できませんでした」ということでした。茂木さんは、処分は特になく、NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」への出演も継続されたようです。

3-2.板東英二さんの場合

個人事務所が約7500万円の申告漏れと約5000万円の所得隠しを名古屋国税局から指摘。その内容も、「イベント会社に企画制作を外注したように装い、その企画会社が受け取ったお金を還流させたり、倒産した自動車販売会社に貸した資金が回収できなくなったように見せかけていた。こうした架空外注を10年以上前から板東さんが直接指示していた」とかなり悪質でした。そのため、それ以来テレビではすっかり見なくなってしまいました。


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4.徳井さんの処分は?

個人的な印象ですが、板東さんほど悪質ではなく、茂木さんよりは悪質?という印象です。

何しろ、個人の会社を設立しています。これは、明らかに会社を設立することによる節税を意識しています。その点、茂木さんのように、「急に忙しくなって、時間がなく、申告できなかった」に比べると悪質な印象です。さらに、茂木さんは指摘されて、すぐに修正申告。その後は申告をしていますが、徳井さんの場合は、再三指摘されても10年近く申告をしなかった点で悪質です。

確かに、板東さんほどは悪質ではないかもしれませんが、最近では有名人に対する世間の対応は厳しくなっています。徳井さんも、板東さんのようにテレビの画面からは消えてしまうかもしれません。

TV studio
失った信頼は大きく、しばらくテレビの表舞台では見ることがないかもしれません

5.納税の教育を

今回の徳井さんのようなケースを見ると、改めて「税金の教育」の必要性を感じます。

5-1.サラリーマンの低い納税意識

特にサラリーマンの方と話をしていると、年を重ねていても税金の知識の乏しさに驚きます。やはり、毎月給料から源泉徴収されているため、税金に対する意識が低くなるようです。

5-2.納税は社会貢献

事業などで成功した経営者は、「社会貢献」という言葉を使うようになります。しかし、特別なことをする必要はないのです。最初に紹介した経営者のように年間1億円の税金を納めれば、立派な社会貢献なのです。

5-3.社会で「ちゃんとした」納税を評価する仕組みを

社会が税金の重要性を認め、多くの税金を納める人たちを、「やっかむ」のではなく「評価する」ようになれば、税金を払うことが名誉となります。そんな社会であれば、徳井さんも、きちんと申告してくれたかもしれません。

6.まとめ

  • 今回の、徳井さんのケースをしっかり検討すると思いの他、悪質です。
  • 過去の有名人のケースと比較すると、徳井さんもテレビから消えてしまうかもしれません。
  • 社会が納税に関心をもち、多くの納税を納める人を評価する社会になってほしいものです。
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