肩こり・めまい・頭痛の原因ストレートネックは足の裏から改善

肩こり・めまい・頭痛の原因ストレートネックは足の裏から改善

当院は、認知症を中心とした高齢者の患者さんが多いクリニックです。そんななか、定期的に若い女性が来院されます。彼女達の特徴は、スラっとして首が長くスタイル抜群です。そんな彼女たちの悩みは頭痛、めまい、手のしびれなどさまざまですが、実はその原因はストレートネックにあると思っています。立ち姿を見ただけで、診察をしなくても、訴える症状、検査所見までイメージできてしまうほどです。今回の記事では、脳神経内科専門医である長谷川嘉哉が、スタイル抜群の女性たちの悩みストレートネックについて解説し、対応方法をご紹介します。

目次

1.ストレートネックとは?

Woman with impaired posture position defect scoliosis and ideal bearing
左の姿勢のように、頭部が前に出た状態です

 正常な人の頸椎(けいつい)は「く」の字のように緩やかなカーブを描いて重い頭をバランスよく効率的に支えています。しかしストレートネックの人は湾曲がなく、真っすぐになっています。カーブが崩れることにより、頭が頸椎より前に来て、重い頭を首や背中の筋肉でダイレクトに支えなければならなくなり、慢性的な頭痛や首の痛み、肩こりといった症状が出るのです。最近では、スマホや在宅ワークによるパソコンの利用で、うつむいた状態になりがちです。うつむいた状態は、頭を支える首に負担をかけて、首のカーブが徐々に失われるのです。

ストレートネックそのものは、姿勢の一つであり疾患ではありません。そのため、多くの医師は「ストレートネック」という概念を持っている人の方が少ないのです。

2.ストレートネックの症状

医師としては、それほど意識をしていない「ストレートネック」。しかし、若い女性が、「医療機関を受診しよう」と思うほどの症状なのです。

2-1.代表的な3症状

 ストレートネックの患者さんの代表的な3症状は頭痛、めまい、手のしびれです。これらの症状は、決して高齢者でなく1020歳代の若い女性が訴えるのです。頭の重さが、首の周囲の筋肉に負担をかけ、筋緊張性頭痛を引き起こします。さらに、頭痛が継続するとめまいの症状まで引き起こすのです。筋肉の緊張により引き起こされるめまいについては、以下の記事も参考になさってください。

2-2.診断には、頭部CTより頚部XPが重要

 当院では来院されると、診察前に頭部CTと首のレントゲンを撮ります。患者さんは、頭部CTについては納得されるのですが、首のレントゲンを取ることには不思議そうな顔をされます。専門医の立場からすると、頭痛、めまい、手の痺れの原因が、頭の中の病変であることは殆どありません。多くは、頸椎のストレートネックが原因なのです。

2-3.多くはなで肩も合併

ストレートネックの患者さんは、頚椎XPで胸椎の上部までが写る医学的な「なで肩」も合併していることが多く、この場合は神経根が引っ張られるために手の痺れを訴えます。この場合の手のしびれの特徴は、1-3指、もしくは3-5指といった指単位のしびれを訴えられます。

正直、首のレントゲンを撮らなくてもスタイルを見ればわかります。首が長く、スタイルの良い女性は、ストレートネックに「なで肩」を合併していることが多いのです。かわいそうですが、スタイルと引き換えに慢性的な症状を抱えているようです。

3.ストレートネックの原因

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頭や首に原因があるのではなく、全身の状態が影響している可能性があります

ストレートネックの原因は以下のようなものです。

3-1.遺伝

頭痛・めまい・手のしびれを訴える若い女性に、お母様が診察に付き添われことがあります。そうすると、頚部XPを撮らなくてもわかるほどストレートネックの方が多いものです。やはり、遺伝的な骨格も大きな原因となります。

3-2.スマホやパソコン

最近では、スマホや在宅ワークによるパソコンの利用で、うつむいた状態になりがちです。うつむいた状態は、頭を支える首に負担をかけて、首のカーブが徐々に失われるのです。

3-3.反り腰など骨盤の傾斜によるもの.

骨盤の傾きによりストレートネックが引き起こされることがあります。骨盤が傾いて、腰が反った状態になると、お尻が後ろにでて、頭部が前に出てしまいストレートネックになるのです。


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3-4.下半身の問題

下半身が原因で、ストレートネックを引き起こすことがあります。O脚による浮き指は足の指が地面から浮いた状態になり、X脚による外反母趾は足の親指が外に向いてしまいます。その結果、腰の傾きを引き起こし、胸や背中の位置に影響し、頭部が前に出てしまいストレートネックになるのです。

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外反母趾や足の浮き指があると、首にまで影響することがあります

4.加齢変化が加わると

50歳を超えたころから、頚椎の加齢変化が始まり、60歳でほぼ100%頸椎の変形を合併します。そのため、首の長いスタイルの良い女性が、50歳を超えると浮遊感のあるめまいを訴えて脳神経内科を受診されます。多くは、起き上がったり、上を向いたりなど、首の動きで誘発されます。ときに、激しいめまいで救急車で受診される方もいらっしゃいます。それほどの症状でも、多くは頭部CTには異状なく、頚部XPではストレートネック所見がみられます。

5.対処方法

対処療法は以下のようになります。

5-1.原因が分かって安心

年齢に関わらず、頭痛・めまい・手のしびれの症状があれば不安になります。「命に関わる病気があるのでは?」とさえ考えます。そのため、多くの方は、原因を説明すると安心されて症状が気にならなくなります。

5-2.目を大切に

最近では、在宅ワークも増え、今まで以上に目を酷使しています。目の疲れは、首や肩に負担をかけます。もともとストレートネックにある方はなおさらです。そのため、一日の終わりには、酷使した目を休ませてあげることが大事です。そんな時には、眼を暖めてあげることが最も有効です。目の暖める方法については以下の記事も参考になさってください。

5-3.カイロプラクティックは注意

頸の周囲の緊張を和らげるためには、鍼・灸・マッサージもお薦めです。自分に合ったものをみつけて、継続されることがお薦めです。但し、カイロプラクティックには注意してください。ストレートネックの方が、首を強く曲げたり、伸ばしたりすると、めまいが誘発されることあります。そのため、私も外来でもストレートネックの患者さんには、カイロプラクティックは避けるように指導しています。

6.ストレートネックの改善にはブレイングボード®もお薦め

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ブレイングボード®

ストレートネックの原因は、姿勢、下半身、骨盤の傾きでより悪化します。そのため、足の裏から姿勢を整える必要があります。姿勢をよくするためには、ブレイングループが開発したブレイングボード®もお薦めです。

ブレイングボード®は、4つの運動を効率的に行うことで、足の裏から自然に姿勢が良くなります。ボードに立つだけで、自然に足の裏の外側に力がかかります。その結果、膝が開き、股関節も開きます。そうすると、ヒップアップして、胸郭が広がり自然に姿勢が良くなります。まさに、ブレイングボード®使用前と後では、人類の進化といえるほどの変化が見られます。以下の記事も参考になさってください。

7.まとめ

  • ストレートネックは、スタイル抜群の若い女性に多く見られます。
  • ストレートネックの症状は、年齢に関わらず、頭痛・めまい・手の痺れです。
  • ストレートネックの改善には、足の裏から姿勢を整えることが有効です。
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