「朝食は必ず取りなさい」、「早寝、早起き、朝ご飯」、「朝食で糖質を摂らないと、血糖が上がらないので頭が回転しない」など、朝食の重要性が言われています。
血糖値スパイク(=食後高血糖)をもつ総合内科専門医として、令和2年4月からリアルタイム血糖値測定器「フリースタイルリブレ」を装着しています。リブレによって頻回に血糖が測れることで、朝食を取らない時の血糖の動きもわかります。
「フリースタイルリブレ」については以下も参考になさってください。
そもそもですが、人間の体は、睡眠状態から覚醒することで、自然と血糖値が上がる仕組みになっています。実際、私も何度も朝食を抜いてみましたが、何も食べなくても血糖値は上がるのです。確かに、急激に上がるわけではないので、学校や仕事に間に合わせるには「早起き」の方が「糖質を取るより」も重要と思われます。
逆に、急激に血糖を上げてしまう朝食は害になります。朝起きて、空腹時にいきなり糖質を摂取すると、血糖値が急上昇します。それに対して、インスリンが過剰に分泌され、一気に血糖値が下がって低血糖になってしまいます。朝食に、菓子パン、パンケーキ、糖の多いジュース類は、血糖が急激に上がった反動で低血糖を招いてしまうのです。
ならば理想の朝食としては、和食、朝食であれ、通常のメニューから、ご飯とパンを抜いたものが理想的です。具体的には、和食であれば、みそ汁、納豆、卵焼きだけ十分です。洋食であれば、ハム、サラダ、チーズだけで十分です。
実は、「朝食の糖質」が低血糖を介して、「仕事の能率が悪い」、「成績が悪い」、「イライラしやすい」につながっている可能性があるのです。