生活保護については多くの誤解があるようです。とくに生活保護は、「働ける人は受給できない」というふうにも言われています。しかしこれは、単なる都市伝説です。さらに「役所の職員が不当に生活保護受給を阻止する」という問題もあるようです。そのため生活保護のもらい漏れは、1千万人近くいると推定されています。実際、外来の患者さんも公的年金が少なく、生活保護の水準以下の場合、生活保護の対象の方が相当数いそうです。 自分に関係ないと思わず、一読をお薦めします。
- 現在の公的年金というのは、夫婦が両方とももらえた場合を想定して設計されています。つまりは、夫婦の年金を合わせた金額で、どうにか暮らせるようになっているのです。 ということは、独身の人や熟年離婚した人などは、一人分の公的年金しかもらえないので、生活していけない可能性が高まるのです。
- 現在、日本人で生活保護以下の収入の人の7割くらいは、生活保護を受給していないと見られています。日本人には、社会に迷惑をかけたくないという心情があり、なかなか生活保護を申請できないのです。
- 生活保護を受ける条件は、次の4つとなっています。 1 日本人であること。 2 生活保護の申請がされていること。 3 収入が基準以下であること。 4 資産が基準以下であること。
- 生活保護というのは、本来、窓口の職員が受給させるかどうかを判断する余地はまったくないのです。 条件さえ満たしていれば、誰でも受けられるもの
- 生活保護というと、「生活費が丸々もらえるので勤労意欲がなくなる」というようなことが言われますが、それは誤解です。
- ワーキング・プアの状態の人や、年金が不足している人は、遠慮せずに生活保護を申請すべきなのです。 また 家族が多ければ、生活保護の基準額は高くなります。
- 夫婦二人の場合は、だいたい 18 万円以下の収入であれば、生活保護の対象となるのです。
- 夫婦に小中学生の子供二人の家庭の場合は、だいたい 25 万円以下の収入であれば生活保護が受けられます。
- 生活保護を受けるためには「半月分の生活費以下のお金しか持ってはいけない」ということになっています。
- 域によっては車も持ってはならないことになっています
- 生命保険にも加入してはいけないことになっています。
- 生活保護を受給するためには、建前としては、預貯金の保有はほとんど認められないのです。
- 自分で住んでおり、ローンが残ってない家ならば、手放さなくてもいいのです。
- ローンが残っている家は処分しなくてはなりません。ローンが残っている場合は、生活保護費を支給すればローンの支払いに 充てられてしまい、それは生活費ではない、という解釈になっているのです。
- 貸家や貸地などの不動産を持っている場合も、処分しなくてはなりません。
- 賃貸住宅に住んでいる場合、生活保護で支給される家賃の上限が定められています。家賃の上限は地域や家族構成によって、違いがあります。
- 生活保護の受給資格としては、テレビやエアコンの保持は関係ありません。
- 以前はパソコンはダメと言われていましたが、いまは 10 万円以下の価格のパソコンであれば認められています。
- 携帯電話も現在では求職などでも必要なので、許されています。
- 貯金の 多寡 が問われるのは、生活保護を申請するときだけです。一旦、生活保護の受給が開始されれば、 支給された生活保護費を切り詰めて貯金することは許されています。
- 生活保護の制度は「申請主義」といって、自分から申請しなければ受けられないことになっています。
- 借金がある人は、自己破産などをして借金を清算する必要が出てくるのです。 借金がある人が生活保護を受けた場合、生活保護費が借金の清算に回る恐れがあり、それは「生活費の支給」という生活保護の趣旨に反するからです。
- 借金というのは、生活保護の手続きがしにくくなるだけではなく、その後の生活全般に悪影響を及ぼすことも多いのです。
- 借金をする前に、生活保護の手続きを受けるべきだと言えます。
- 家賃を払えなくなったとき、もしくは払えなくなりそうなときに、部屋を追い出される前に生活保護の申請をするのです。
- 住所がなくても、生活保護は受けられます。 しかしながら、手続き的には、非常に面倒になるのです。
- ケースワーカーというのは、あくまで相談役としての存在であり、 生活保護の申請をするかどうかは、本人が決めること なのです。
- 生活保護の申請をしたいと思った人は、ここで何を言われようが、「生活保護の申請をする」ということを明言してください。
- 役人などというものは、記録が残らない場所と、記録が残る場所では、態度がまったく違うので、記録を残すというポーズは効果があるのです。
- 生活保護は若くて健康だからといって受けられないものではありません。
- 若いことを理由に、申請書を渡さないようなことがあれば、「自分は生活保護を受ける条件を満たしていると思っているので、申請書をください。条件に合致していなければ、申請を却下すればいいだけでしょう? 申請するのは私の権利ですから、私の権利の侵害をしないでください」と明確に言ってください。
- 「家族や親類には支援が見込めない」ということをきっちり言っておきましょう。
- 生活保護の費用は、4分の3を国が出し、4分の1を地方自治体(市区町村)が出しています。
- 財政の厳しい自治体(市区町村)は生活保護費を出し渋ることが多いのです。
- 役所が、なぜこのような不正なやり方をするのかというと、〝申請希望者のほとんどに生活保護の受給資格がある〟からなのです。つまり、生活保護受給の資格がないから追い返すのではなく、その逆なのです。
- 生活保護を受けられる条件さえクリアしているのならば、弁護士や支援者と一緒に行けば、簡単に生活保護を受けることができるのです。
- 生活保護の申請に関しては、弁護士は無料でやってくれるの です。 これは、各地域の弁護士会が申し合わせて、生活保護の弁護士費用については無料にすることにしているのです。
- 生活破綻者の多くの場合、医療費が原因となっています。だから、生活保護を受けられれば、老後破産の多くは救える のです。
- 生活保護支給額が高いのではなく年金が安いのだ
- 生活保護のもらい漏れは、1千万人近くいると推定されています。 一方、不正受給者というのは、せいぜい2万人〜3万人です。どちらが大きな問題なのか、というのは火を見るより明らかです。
- 不正受給の問題を生活保護全体の問題と捉えて、生活保護受給者全体に批判の矛先を向けてしまえば、政治家や役人の思うつぼなのです。
- 日本の生活保護予算はアメリカの 10 分の1。
- 日本の場合、本来は必要な人の 20〜 30% 程度しか生活保護を受けていないとされています。
- 8人に1人が生活扶助を受けているアメリカ
- 生活保護というのは、長い間、国民のチェック機能が働いていないので、相当腐りかけているようです。
