『偽善医療』は、日本の医療の「当たり前」を一度立ち止まって見直すための一冊です。がん検診や薬の使い方、ワクチン、医療費の仕組みまでをエビデンスの視点で丁寧に検討し、「何が本当に患者のためか」を静かな語り口で考えさせてくれます。医療者だけでなく、生活者にも役立つ“賢い選択”の手引きです。
- 「国民負担率」とは「所得」に占める「税金と社会保険料」の比率です。かつては 25%程度だったものが 50%近くになるということは想像を絶する負担が国民にのしかかっているということになります。
- 日本人は、自分たちが今まで受けてきた医療サービスが、本当は「ただ」ではないことを理解する必要があります。
- みんなが嘘だと分かっていながら一応、治療しているかのようなふりをしているという腐敗した「猿芝居」が続けられている「側面」が日本にはあると思います。
- エビデンスのないものには公費を費やさないよう政策転換するべきです。そんな大きな政策変更が可能なのかと言えば、スウェーデンはそれをやりましたから。
- 高齢者の場合、がん治療によって健康状態が悪化することもあるにもかかわらず、治療が続けられている
- 夕張パラドックス」とは、2006年に財政破綻した北海道夕張市で、医療提供体制を大幅に縮小したら、高齢者が健康になったというもの
- 精神科なんて「適応障害」という診断名を付けては休ませて、毎月患者を来院させ、薬を大量に出しています。あんなに儲かる科はない。
- たいてい精神科は、うつ病や適応障害と診断した患者には会社を休ませますよね。しかし、その会社を休ませる処置のエビデンスはどこにもありません。休ませたって、結局良くならないわけです。
- 基準=クライテリオンがないおかげで日本国内では医療判断を厚労省や医師達が好き勝手に歪めることができる一方で、国際的に認められる薬をつくることができない、という大きな弊害もある
- 2、3日で症状が治る程度の風邪やインフルエンザで医療機関にかかるのは日本くらいのものです。
- 風邪は2、3日寝ていれば治る病気なので、抗生剤は必要ありません。言い換えれば、ほとんどの風邪の患者に抗生剤は不要、医療機関の受診は不要ということです。
- 残念ながら、がん検診を1年以内ごとに受診しても、それによって寿命が延びるというエビデンスはありません。
- 「90%の胃がんがピロリ菌のせいだ」というのは、「胃がんの患者をある医療機関で調べたら、そのうちの 90%にピロリ菌が見つかった」という結果報告に基づくものです。胃がんの患者に「ピロリ菌があった」というだけで、それが胃がんの発生に関与するかどうかは、これだけではわからないのです。
- 臓器別のがん検診の中で、最も不必要(死亡率を減らさないというエビデンスが強固)なのは肺がん検診です。
- WHOでも「結核は胸の写真で診断してはならない」としています。
- どのように結核を診断するかと言えば、喀痰細胞診(3日連続で、痰を採取し、チールネルセン染色で赤く染まったら結核菌が存在する)で診断します。
- ワクチンを推奨するために、ワクチンが原因で人が死んだと絶対に認めようとしない政府ですら、約1000人の方がワクチンが「原因」で死んでしまった可能性が非常に高い(だから公的資金で補償する)と認定しているわけです。
- 統計的にはコロナワクチンの接種効果は全く確認できなかったのです。
- コロナによる健康被害、人命被害は高齢者に偏っていることが知られていますが、ワクチンによる直接被害についてはコロナほどの年齢による偏りは報告されていません。すなわち、ワクチンはコロナそのものよりも若年層にも健康被害、人命被害をもたらす傾向があるわけです。
- 医師はそんな「リスク」を避けるために、「ホントはこの治療はどうせ無駄だし有害だろうけど、後で訴えられると何かと面倒なので、一応やっておこう」と判断するケースが頻出することになるのです。
- 患者の健康よりも、とにかく、訴訟リスクを避けることの方が大事だ」と考える病院に勤務している医師は、先と同じく実に全体の6割にも上ることが示されている
- 多くの国民が「さして深く考えず、気軽」に医療を受けているというのが実態なのです。これが過剰医療が生ずる重大な原因の一つです。
- 偽善医療の暴走が、 「ザイム真理教」を産み出した
- 出費を削るために予算をカットする、という財務省のロジックは、我が国では医療費以外ならばそれが経済対策であろうが地方創生であろうが、はては防災であろうが通用するのですが、こと医療費の場合には「人殺し」のように言われ、通用しないのです。
- ワクチン接種後に亡くなり、政府が補償している人が900人もいるのですから。しかしこれは明らかに過小評価された数字であり、実際には7万人以上が亡くなっていても全く不思議ではないということが統計学的に明確に示されているのです。
- 日本は医師の裁量が大きいという意味でアメリカ型であるくせに、医療費についてはイギリスのように公的支援が大きい。これでは医師側が悪意を持てば自分たちの裁量でいくらでもボロ儲けできるのも当たり前


認知症専門医として毎月1,000人の患者さんを外来診療する長谷川嘉哉。長年の経験と知識、最新の研究結果を元にした「認知症予防」のレポートPDFを無料で差し上げています。