講演のために金沢へ向かう道中は、暴風雪のため社内で閉じ込められることも覚悟していました。
そのため、以前から時間があれば読みたいと思っていた『社長が絶対に守るべき経営の定石by佐藤肇』を持っていきました。旅行に持っていくには、大きすぎる本ですが、往復の車内で読み終えることができました。
いくつか紹介します。
① リーマンショックで最初に指示したことは2つ、『無理して売るな』、『在庫を減らせ』・・無理に売らなくても、無駄な
在庫と設備と土地、建物を減らせば利益は出る。
② 健全性は自己資本比率、収益性は総資本利益率(ROA)が目安・・ROAは、最低でも国債の利回り以上
③ 斜陽化するものは赤字化する前に捨てる。そして新たな成長産業に着手して経営資源を集中させる
④ 小資本で高い付加価値を生む産業以外は手を出さない
⑤ 経営には、「攻める経営」「守る経営」「捨てる経営」の3つ
⑥ 初年度から利益が出るような新規事業はあり得ない・・1-2年赤字、3年目とんとん、4-5年で赤字を返して
6年目から利益に貢献
⑦ 収益目標は、付加価値に対して税引き後5%できれば10%、そのうち一律2%は先行投資に充てる予算に
分配する
⑧ 毎月毎月、目標と実績の差を検証して、その原因をつかみ、対策を打つことを繰り返せば、目標は必ず達成される
⑨ 最適人員を決めるためには、労働生産性=付加価値/平均人員をつかめ
⑩ 社員の生活プランに合わせて、年齢別に年収を保証する給与ベースにする
⑪ 人件費が思いつきにならないために、人件費係数(=人件費総額÷月額給与総額)を明確に
*仕事を単純化し、作業環境を変えていくと常識ではパート化できなかった仕事がパート化できる
⑫ 設備投資は原則として、減価償却の範囲内とせよ
⑬ 資産勘定の増加は、いつも金利に結び付けて考える
⑭ 売上高基準は、百害あって一利なし・・付加価値=粗利で考えよ
⑮ 短期借入は、目的に応じて導入し、次の目的までに完済する。長期借入は、銀行の返済期間に関わらず、5-7年で完済するように
⑯ メインバンクには、業績が良い時も悪い時も、つまびらかに公開すること
⑰ 中間納税には2通りある。①前年度実績に応じて ②期の中間で仮決算を行いそこで計算した税金を納める。
⑱ 創業以来の会社の体質、体力、すなわち会社の実態はBSにすべて集約されている。BSを大事に経営すれば、絶対に会社を潰さない
あまりにも、学ぶことの多い本でした。素晴らしい本との出会いに感謝です。
値段は10,290円と高いですが、値段より遥かに価値のある内容です。
経営者の方には、お薦めです。