先日、同じ医師として残念な体験をしました。
知り合いの86歳の男性が脳出血で救急病院に入院
私自身もお見舞いに行ったところ、
高度右片麻痺、
高次脳機能障害として感覚性失語
何より、高齢のため合併症で亡くなる可能性も・・
経口摂取が回復する可能性は低いと予想されました。
しかし、入院2日目より、家族への相談もなく、
経鼻胃経管栄養が導入されました。
家族も本人も元気な時から
胃瘻だけは望んでいなかったのです。
しかしそんな、希望を聞くこともなく
経鼻胃経管栄養を導入。
一般の方には分かりにくいかもしれませんが、
胃瘻も経鼻胃経管栄養も基本は同じです。
以前は、経鼻胃経管栄養が多かったのですが、
介護施設で介護する場合
途中で管が抜けることによるリスク軽減のため、
胃瘻が主体となったのです。
もし、主治医が経鼻胃経管栄養を導入しなければ、
経口摂取が回復しない時点で、
自然経過で看取る選択が家族にはあったのです。
それなのに
急性期治療は終わったとのことで、
1か月経過すると、慢性期病院へ転院。
経鼻胃経管栄養を導入した患者さんが
どのような経過をたどるのか?
それを知った上の治療であったのか?
責任感が全く感じられません。
まだまだ若い先生でしたが、
あなたに聞きたい
今回の治療を、あなたの親にも行いますか??
これこそが、医療の原点です。
地域の基幹病院であるならば
上司は、若い医師の未熟な対応を是正することができなかったのか?
とてもとてもとても残念でした。