今回は、先回の堺屋太一さんの平成30年のつながりで、『これから10年、活躍できる人の条件by神田昌典』を紹介します。
神田さんは、悪性黒色腫に罹患されました。
症状的には、リンパ節転移を認めるステージⅢで5年生存率50%でした。
そのような状況で無事5年過ぎ、寛解されたのです。
一度、死を意識された方の文章には迫力があります。
正直、今までの神田さんの本は、好きになれなかったのですが、今回の本は、死線を越えた著者の迫力が伝わります。
本の中では、やはり堺屋さんと同じ70年周期説を唱えられているため、2015年に明治維新、太平洋戦争に匹敵する新しい歴史サイクルが始まると指摘しています。
ちなみに70年周期によると以下の組み合わせになります。
1931 満州事変 | 2001 アメリカ同時テロ |
1936 2・26事件 | 2006 ライブドア |
1940 大政翼賛会 | 2009 民主党政権 |
1941 太平洋戦争勃発 | 2011 東日本大震災 |
1942年 ミッドウエイ開戦(戦局の転換) | 2012年 国家財政、更に深刻化 |
1943年 学徒出陣 | 2013年 国際金融市場破綻 |
1944年 学童疎開 | 2014年 地方への移住急増 |
1945年 原爆投下、終戦、財閥解体 | 2015年 東京直下型大震災、大企業相次ぐ破綻 |
1946年 金融緊急措置例(新円切り替え) | 2016年 インフレ |
1950 年朝鮮特需 | 2020年 新産業の芽 |
若干、無理なこじつけ?
の感じもしますが、価値観が変わるような時代の流れは感じます。
価値観が変わるとは、“英雄が戦犯” “輝いていた職業が軽蔑””出世街道が軽蔑“ということになるのです。
昔、現在94歳の祖母の、『若い頃は、軍人さんと結婚する事を憧れていた』という言葉に、違和感を覚えたものでした。
まさにこれなど、価値観の変化ではないでしょうか?
時代の変わり目は、想定外の連続です。
日本列島全体が地震活動期に入っているこの時期は、やはり繰り返される地震が明治維新や、太平洋戦争のような引き金になるのではないでしょうか?
そのような中で、この国は変わらなければならないのに変われない。
これは、堺屋太一さんの小説の中でも“変われない日本”と指摘されています。
この理由について、神田さんは以下のよう指摘されています。
組織はなぜ変われないか?これは組織人の能力、人間性、政策の問題でない。
単に組織の寿命が末期であるということ。
そもそも、新しい組織に作り変えるという事は、組織が成立している収益基盤(=権益)を失うこと。
組織としては自殺行為となる。
やはり、いったんすべてがリセットされなければ変化できないのかもしれません。
しかし、恐れる事はありません、2020年には、再び新しい価値観のもと新産業が生まれるのです。
そのときには、地域を愛するリーダが多数生まれ、地域コミュニティが強くなります。
そうすれば地震も怖くなく、犠牲も最小限になります。
地域の「祭り」が山積みしている、さまざまな難問を、一挙に解決してしまうのです。
しかし、そこまでに自身のビジネスが、つぶれてはいけません。
今から、数年間は最悪を想定して、骨太経営に徹しましょう。
素晴らしい本を書かれた神田昌典さんに感謝するとともに、皆さんも是非、今の時代に一読される事をお勧めします。