【お薦め本の紹介】昭和人間のトリセツ

【お薦め本の紹介】昭和人間のトリセツ

2024年の流行語大賞は、ドラマ「不適切にもほどがある」から「ふてほど」でした。「ふてほど」では、自分たちには懐かしい昭和の時代が描かれ懐かしく思ったものでした。同時に、若い人たちからは「本当にそんな時代があったのですか?」と質問され、逆にギャップに驚いたものです。今回の『昭和人間のトリセツ』は、昭和人間のみなさんは「自分のトリセツ」というスタンスで、日頃から昭和人間に悩まされている平成人間のみなさんにとっては、扱い方のコツをつかんでもらえる内容になっています。

  • 大阪万博が開催されるなど高度経済成長の絶頂期だった昭和 45 年を境にして、それ以前に生まれた人(令和6年時点で 54 歳以上)を「前期昭和人間」、昭和 46 年以降に生まれた人(同 53 歳以下)を「後期昭和人間」に分類
  • 「後期」は物心ついたときからカラーテレビが当たり前だったが、「前期」はテレビの原体験が白黒テレビだったり、家にテレビが来た日を覚えていたりする
  • 赤いビックリマークに込められた昭和男性の意図。気をつかって「○○さんのLINE、いつもにぎやかで楽しいですね」なんておだてると、すぐ調子に乗ります。
  • 「おばさんLINE(おばさん構文)」の特徴としては、文頭に「あらら」「あら」を使いがち、語尾に「かしら」「だわ」「~」を使いがち、絵文字や顔文字が多い、「おはよぉ」「げんきぃ?」など「あ行」を小文字にする
  • 昭和人間の多くは若かりし頃、デートに対して並々ならぬ情熱を燃やし、無限の夢と希望を抱いていました。もし、昨今の若者がその気合いの入りっぷりを目の当たりにしたら、激しくドン引きすることでしょう。
  • 男性は「Hot-Dog PRESS」(講談社)や「POPEYE」(マガジンハウス)など男性誌のデートマニュアルを熟読
  • 昭和の頃のデートで「いくじなし」と言われたことがある男性や、言ったことがある女性は、それなりにいらっしゃるかと。男女の仲は、つくづく難しいものです。
  • 美術館などに出没するという「(女性にだけ)教えたがりの高齢男性」も、ほぼ同類。迷惑で残念なおじさんやおじいさんになっていないか、常に己を客観視することを忘れないようにしましょう。
  • 昭和人間の男女は目の色を変えて「クリスマス」に取り組んだ
  • クリスマスデートの定番とされていたのは、フレンチのディナー(2人で4万~5万円)→ 夜景の見えるバーで一杯(2人で1万~2万円)→ 彼女へのプレゼントに ティファニーのオープンハート 10(2万~3万円)→ シティホテルに宿泊(5万~6万円)といったプラン。クリスマス前にはデパートのティファニーの店舗に男性客が押し寄せました。
  • 父親や母親が昭和 40 年プラスマイナス5年ぐらいの生まれの場合は、若い頃のクリスマスの思い出を聞いてみるのも一興。甘い思い出があれば自慢になるし、ほろ苦い思い出だったとしても、頑張った自分を思い出させてあげられます。
  • 自分たちにとっての昭和は『ついこのあいだ』だけど、若者にとっての昭和は、こっちが想像する以上に『はるか遠い昔』である」という話です。
  • 若者にとっての昭和は、昭和人間にとっての戦前と同じ
  • 人は「過去の栄光」が、なかなか忘れられません。そして、漠然と抱いている「セルフイメージ」は、最も輝いていた時期をベースにしがち。
  • バブル自慢は過去のモテ自慢と同じである
  • 「古代エジプトのピラミッドの壁画にも、今どきの若者を嘆く言葉が書かれているらしいからね」と言い出す人がちらほらいます。しかし、それはいろんな俗説が合わさってできた「デマ」という見方が有力。得意気に口にしないように、くれぐれも気を付けましょう。
  • 現在 61 歳の私が若者だった頃は、大人世代から「新人類」と呼ばれていました。
  • 「ちょっといいもの」への幻想を捨て切れない昭和人間の消費の矜持
  • 昭和人間は「自分へのごほうび」という言葉も大好きでした。
  • 「50 代から 60 歳前後はバブルでいい思いをしている」はたいてい濡れ衣
  • 若者と昭和人間で大きなギャップがあるのが、近頃よく聞く「コスパ(コスト・パフォーマンス)」の捉え方です。
  • 若者のみなさんは、昭和人間の前で「コスパコスパ」と言うと、相手の神経を逆なでしかねないと認識しておいていただけたら幸いです。
  • 昭和人間はお酒との「腐れ縁」をなかなか切れない 「新歓コンパで酔いつぶれる 18 歳」が春の風物詩だった時代
  • 昭和 30 年代後半生まれぐらいの昭和人間(私含む)の学生時代は、「村さ来」、「つぼ八」、「大都会 11」 といったチェーン居酒屋が一気に勢力を広げた時期でした。
  • 20 代で「飲酒習慣(週3日以上、1日1合以上飲酒する)」がある人は、2019年の調査では7・8%(男性 12・7%、女性3・1%)でした。 30 代でも 17・2%(男性 24・4%、女性 11・1%)です。
  • 昭和人間の多くは「いっしょにお酒を飲んだほうが距離が縮まる」と信じているし、会社の飲み会にはそれなりに意味があると考えています。ただ、それを声高に主張することは今は許されないこともわかっています。
  • 現在 50 代 60 代の昭和人間は、大事なことも大事じゃないこともみんなテレビに教わり、テレビに育てられたと言っても過言ではありません。
  • 今どきの「やさしい働き方」に本音では違和感を拭えない 前期昭和人間に刷り込まれた「 24 時間戦えますか」的仕事観
  • 世の中全体をトータルに見れば、昭和よりも令和のほうが多くの人にとって「快適な社会」になっていると言っていいでしょう。理不尽さの少ない社会と言ってもいいかもしれません。
  • アッシー」「メッシー 15」 という言葉が流行した平成初期は、「男性は女性に徹底的に尽くす」というアプローチが良しとされていました。今よりもはるかに根深い男女差別が存在していた時代ですが、そこからは目をそらしつつ、男女とも「お姫様と家来ごっこ」を楽しんでいた節があります。しかし、今の若者には、そんな茶番に費やすエネルギーも暇も懐の余裕もありません。
  • 昨今、若いカップルが「きっかけはマッチングアプリです」と言うのは、かつて昭和人間が「きっかけは友だちの紹介です」と言っていたのと同じぐらい一般的になっています。
  • 「女性ならではの感性(センス、きめ細かさ……etc.)」という言い方は、ホメ言葉ではありません。「女性ならでは」とくくらず、その人ならではの感性をホメましょう。
  • 誹謗中傷に熱心なのは中高年というデータも
  • ネット上で誹謗中傷を熱心に行っているのは、昭和人間世代の中高年が中心というデータも出ています。
  • オシャレで楽しげなキラキラ投稿を見せ合う「Instagram」から、常にギスギスネチネチと誰かを責めてばかりいる「X(旧・Twitter)」、おじさんとおばさんが昔話や自慢話を 肴 にキャッキャ言い合う「Facebook」など、いろんな世界があります。いつの間にか入れられて抜けたくても抜けづらいLINEグループも、いちおうSNSの一種です
  • 昭和人間と相性がいいSNSといえば、なんといっても「Facebook」です。すでに世間的には「過去のツール」であり、若者の利用者はほとんどいません。
  • 過去の「成功体験」を絶対視しがちなのも昭和人間の悪い癖。しかも、たとえば子どもの教育についての自論(厳しく育てるのがいい、ほおっておくのがいい、など)にしても、会社の経営に関するご高説にしても、たまたまうまくいったことを自分の手柄にしがち。
  • 中高年の昭和人間が同年代との付き合いで嫌われないためには、何はさておき「自慢」と「アドバイス」を封印しましょう。
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