『脳の健康度は「会話」でわかる』というインパクトのある言葉から始まります。日々、認知症の患者さんと接しているものからすると納得する内容だらけです。お薦めです。
- 認知機能をあまり必要としない脳の使い方をしていると、加齢にともない認知機能が低下する可能性が高くなります。
- 年を重ねると起こる変化の中で、若いうちに対策を立てておくと防げることは多い
- 脳の中のいつも同じ場所を休ませているのは非常に危険です。それを避けるには、 脳のいろいろな場所を使う必要があります。
- まんべんなく、バランス良く脳を使おう 脳のいろいろな場所を使うには、「 毎日を面白がる」ことが大切です。
- いつも同じグチばかり言っていたり、自慢話ばかりしていると、脳の同じ場所だけが動き、脳の残りの場所が休んでいる可能性が高いからです。
- 日常会話ですぐに取り入れられるのは、「テーマを決めて、お互いの考えを聴く会話」 をすること。
- アルツハイマー病の病理変化があっても認知症の症状が現れない脳がある──?
- 「シスター・バーナデットは実に極端な例だった。新皮質にはプラークと神経原線維変化がたくさんできていたのに、その部分の働きはほぼ無傷で保たれていたのだ。まるで彼女の新皮質には、理由はどうあれ強靭な抵抗力があるかのようだった。シスター・バーナデットのような例を、私たちは『逃げおおせた人』と呼ぶようになった。
- 寿命より前に認知症が発症しなければ、充実した人生を送れる。つまり、年齢を重ねても、脳に「理由はどうあれ強靭な抵抗力がある」ならば、人生の晩年をイキイキと生き切れるというわけです
- 逃げおおせた人」になるためにできることは、 もともとの神経細胞同士のつながりの数を増やす 神経細胞同士のつながりの数を減らさない工夫をする この2点でしょう。
- 脳が「これは見ない」と決めたら、その情報は全く入ってこないように脳はできています。反対に、「見るぞ」と思えば、しっかりと頭に入ってきます。
- 聴く」「質問」「答える」をバランス良く会話しよう
- 会話で「計画」「注意分割」「記憶」の力を養える
- 言語流暢性は、言語能力の基盤となります。認知症になると極端に低下する認知機能です。
- 脳の基本的な仕組みとして、 アウトプットすると脳内のネットワークが強化される ことが知られています。
- 小説家や俳人、歌人などクリエイティブな活動を行っている人は、とても精密に自分の体験やそのときの状況を記憶していると言います。それはアウトプットするつもりで毎日を過ごしているからに他ならないでしょう。
- 体験のすべてを記憶しておくことは難しいのですが、「誰かに話そう」と意識していると記憶の定着度合いは変わってきます。
- 脳は人間の体験の何から何までエンコードしているわけではなく、覚えていることには、記憶の強さのグラデーションがあります。
- 海馬の隣に扁桃体という感情を司る場所があり、心が動いているときこの扁桃体が活動します。扁桃体が活動したとき、同時に海馬に刺激が伝わり、記憶に刻み込まれやすくなるのです。
- 人間は、何かを見ているとき、その「モノ(あるいはコト)」だけを見ているわけではありません。 あらかじめ知っている、脳に蓄積された知識と組み合わせて「モノ(コト)」を見て、理解しています。
- 面白がり方のレパートリーを増やせれば、人の話を興味を持って聴けるようになり、「この人ならどう考えるだろう?」という関心も湧きます。
- 会話の口火を切るとき、基本的に選択肢は「 自分のことを話す」か「 相手に尋ねる」かの二つです。
- 若いうちは夫に従い、老いては子に従うタイプの人は、 会話においても周囲に頼ろうとしがち です。
- 自分の頭で考え、言葉を探し、相手に伝えるという脳の働きに自らストップをかけている状態は、認知機能が常に低空飛行しているのに近い状態です。
- 右肩上がりの充実人生を送りたいなら 普段から「聴く6」:「話す4」を目指す
- 日記には、日常でのネタ探しが習慣化しやすくなるだけでなく、 文章をアウトプットすることで、言語能力が鍛えられる というメリットがあります。
