【お薦め本の紹介】映画も良いけど原作も 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』

【お薦め本の紹介】映画も良いけど原作も 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』

映画の評判も上々のようです。しかし、できれば原作を読んでもらいたいものです。正直、自分も題名は、少し「不快」でしたが、前頭葉機能の刺激のために通常では手に取らない「本書」を手に取りました。結果は、「不快」が大きく逆ブレして「快」」満載で、一気読みでした。加齢に伴い、自分の気に入った情報にしか手を伸ばさない方には、特におすすめです。

  • 戦国時代は、武士たちにとって、いわば〝グローバル成長期〟だった。
  • 家康は意図的に当時の〝 領土を拡大して成長する〟ことを止めた、 世界でも 稀 に見る異質なリーダー であった。  結果、江戸時代は 265年間も続く、 太平の時代 になった。
  • 歴史にも、政治にも、無関心な日本人はいるかもしれないが、無関係な人は、いない。
  • 頼長の生きた平安時代はまさに伝染病の時代であった。
  • 実際に歴史上、伝染病・感染症で完全に根絶できたのは天然痘のみである。
  • 綱吉がいなければ、日本人の生き物を大切にする心や、亡くなった近親者を悼む精神は存在しなかったかもしれない。
  • 民が決めるなど正気かの。きちんと上の者が決める。それが政じゃ。いちいち民の顔色をうかがっとっては正しいことなどできぬ。なんちゅう世になってしもうとるのじゃ。なげかわしい
  • 将たるものの仕事は決めることじゃ。決めたことは何があってもやる。そういう将の下には、それを成し遂げる者が集まるものじゃ。あとは将はその者たちを信じて任せる
  • 家康が秀吉や信長に比して優れていたのは、政治を「安定」させる「組織構築」能力である。その鍵が官僚であった。いわば、現代における官僚の生みの親は家康といってもよい。
  • 今までの中途半端なスタンスではなく、明確に「あるべき姿」を示し、そのための「具体的な指示」を行った政府に対して、国民の中に〝まずは従ってみよう〟という空気が流れたのである。
  • 不正あらば、あとから正せばよい!
  • 戦国時代において戦は生き物だ。常に状況が変化し、その変化にうまく対応できない者は命を落とす。最初に立てた計画どおりにすべてが進むことなどほとんどないと言っても過言ではないだろう。計画が完璧だと思っている者ほど、急な状況の変化に対応できず判断を誤る。
  • 日本人は「決まりごと」が明確であると、その決まりに従う側面がある。警察、官僚たちの一糸乱れぬ連携は、人々に安心を与えた。
  • 今までの国民と政治の関係は共に都合が良すぎたのかもしれない。政治家はおのれが当選するために、国民に対して耳ざわりはいいが実現性の低い政策ばかりを打ち出し、当選すれば 反故 にする。国民はその都度、自分たちにとって都合のいい話に飛びつき、それが叶わないとなればヒステリックに批判をし、新しく耳ざわりのいいものに飛びつく。それでは、社会が良くなることはたしかに難しい。
  • どうもこの時代の者は農を軽んじておるように思いまする
  • 龍馬は生まれた身分によって、人生が決まってしまうような社会を打破すべく命を懸けて戦った。そうして手に入れたはずの自由で平等な社会が、何か活力のない無味乾燥なものに龍馬には感じられたのだ。それがなぜなのかは龍馬にもわからなかった。
  • そもそも綱吉は、自身の将軍としての在任期間中、当時の幕府の役人(地方役人も含む) の実に3分の2を入れ替えたほどの能力至上主義である。
  • すべての命を救うことはできぬ。病は、この病だけではない。すべての病、またはそれ以外でも人は不慮の死を遂げる。それは神でも仏でも救えぬ。
  • 不安とは、何もせんもんがかかる病じゃ
  • この時代のもんはあまりに人任せじゃ。自分で動かねば、不安という病に取り憑かれ、何も考えんようになってしまうぜよ。
  • しくみが正しいのではなく、しくみと時代が合っているかどうかが大事じゃ。
  • 安寧は簡単には手に入らぬ。 変わらぬものをつくるには変えることを恐れてはならぬ
  • 統治者とはすなわち、すべての者を満たさず、そして、すべての者を欠かさず。それをおのれの信念にて行う者をいう」
  • 成長という病じゃ。富を求め、急激に川幅を広げようとする。この病は流行り病よりおそろしい。
  • 無理に川幅を広げれば、川は氾濫し、やがては涸れてしまう。今回の流行り病はそれをそちたちに教えてくれたのじゃ。
  • これからの時代は、おまんら一人ひとりが自由ではなく自分で不自由を引き受けることぜよ」
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