一気読み! 東京會舘とわたしby辻村深月

2016-10-17

実は、恥ずかしながら
この本を読むまで、”東京會舘”という名すら知りませんでした。
大正11年の創業以来、結婚披露宴や宴会場、
また芥川賞・直木賞の記者会見・贈呈式や
宝塚のトップスターのイベント会場としても知られ、
多くのファンに愛されてきた東京會舘。
現在は建て替えのため一時休館していますが、
その100年近い歴史ある建物を舞台にした小説が
『東京會舘とわたし(上・下)』です。
上下巻ですが、一気読みしてしまいました。

第一章は大正12年のヴァイオリニスト・クライスラーのコンサート
その時の芳名録の錚々たる参加者には圧倒されます。
作品は大政翼賛会、GHQの接収、関東大震災といった
會舘が歴史に翻弄された過去が紹介されます。
同時に、手土産として名高いプティガトーや
マッカーサーも愛したという「會舘フィズ」など名物が生まれた背景も
逸話とともに織り込まれています。

第一章から第十章まで、各章の主要人物が
別の章でも重要な役割を担って再登場します。
時を経た彼らと再会から、
時間の積み重ねを感じさせます。
本の中では、ひとつの建物の中で時が流れていくので、
前の登場人物たちが見てきた場所と
今の話が、続いていることに気が付かされます。
なかでも後に明治村に寄贈された大シャンデリアなどは
素晴らしい描かれ方をしており
今すぐにでも見に行きたい気持ちにさせます


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直木賞を取った辻村深月さんが
直木賞の会見場である東京會舘を見事に
小説にしたとても素敵な作品です。
お薦めです。

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