70歳死亡法案、可決!

先日、凄い本を手にしました。

『70歳死亡法案、可決by垣谷美雨』です。

内容は、“2020年、65歳以上の高齢者が国民の3割を超えた日本。

社会保障費は過去最高を更新し続け、国家財政は破綻寸前まで追い詰められていた。

そこでついに政府は大きな決断を下す。

「日本国籍を有する七十歳以上の国民は誕生日から30日以内に死ななければならない」という七十歳死亡法案を可決したのだ。

2年後に法律の施行を控えたある日、ごくありふれた家庭の宝田家にも小さな変化が起こり始めていた。

義母の介護から解放されようとしている妻、家のことはすべて妻に任せきりの能天気な夫、超一流大学を卒業しながら就職に失敗し引きこもっている息子、ひび割れかけた家族から逃げ出した娘、寝たきりでわがまま放題の祖母。

究極の法律が、浮びあがらせた本当の「家族」とは?”

 実際に、このような法案が通ることはありえません。

しかし日本人もそろそろ、日本国民として心の準備と覚悟が必要なのだと思いました。

現状は、皆が、目先の利益・権利に目が行っています。

そのためにどんな政策もかならずどこからか文句が出ます。

医療費の高齢者自己負担を引き上げようとすると全国の老人から、診療報酬を引き下げようとすると医師会から、金持ちがたくさん保有している不動産の課税を強化しようとすると不動産業界からと、どんな政策も通らないのです。

その上、高齢者が圧倒的多数であるために、高齢者の意見が全体の意見となってしまうのです。

若者は、その決定に黙って従うしかないのです。


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小説の中では、多くの老人が、70歳死亡法案が免除してもらうために、“年金は受け取りません、医療費は全額自腹で払います。

”という届けをしている設定になっていました。

こんな小説ありえないと思えば、それまでですが、多くの示唆を与えてくれました。

・人間いくつで死ぬか分かっていれば、馬鹿みたいに貯金はしません。

 死ぬ時までの生活費だけを確保すれば、あとは全部使ってしまえば良いのです。

・貯金の代わりに国が老後を保障してくれれば、若者の不安も減ります。

 しかしその際は、それに応じた負担をしなければいけません。

 今の日本のように、負担はしないが高福祉を望むことはありえません。

・70歳死亡法案とまでいかなくても、“80歳以上の過剰な医療の制限”“無用な延命の禁止”“人工栄養中止のガイドライン議論”などやれることはいくらでもあると思います。

ちなみに、もしも“70歳死亡法案が可決されたら“と考え、電子カルテを覗いてみました。

土岐内科クリニックの外来患者さんの9割はいなくなります。

在宅患者さんやグループホームの入居者さんはほぼゼロになってしまいます。

自分自身、70歳になるまでに首をくくらなければならなくなります。(笑い)

 皆様にも一読をお勧めする本です。

素晴らしい小説を書かれた垣谷美雨さんに感謝です

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