映画「おとうと」のなかで、紹介された民間ホスピスを描いた、
“山谷でホスピスやっています”を読みました。
東京・山谷のドヤ街に立ち上げた在宅型のホスピス「きぼうのいえ」。
金なし、コネなし、経験なし。あるのは行き場をなくし、
希望を失いかけているひとたちに、
人生最後のひかりを見出してほしいという情熱だけです。
庶民が建てた庶民のためのホスピス長屋の無謀な試みが、
周囲の人を巻き込み、大きな輪になっています。
在宅医療をやっているものとして、とても感動して読ませてもらいました。
なにより、サービスの提供で、訪問診療と訪問看護は他の事業所を使うことで、
外部とのつながりを大事にしている点に好感が持てました。
但し、ビジネスモデルは、生活保護の方々を対象に、
介護保険を利用し介護サービスをNPO法人で提供しています。
もし利益の事を考えれば、医療も看護もNPOで提供すると利益率は上がります。
彼らがその欲望に負けずに、今の運営を続けてもらう事を希望します。
しかし言い換えれば、同じような施設を運営する場合、
全てを一法人で提供するケースのほうが多くなると思われます。
そうすると外部からの監視は全く入らなくなり、
先回紹介した貧困ビジネスになる危険性を秘めていると感じました。