先回紹介した、大竹慎一さんのお金の法則恐慌編以上に堅実な本が、今回紹介する、佐藤肇さんの『先読み経営』です。
なんと、佐藤さんの会社『スター精密』は売り上げがゼロになっても、3年間は給与と賞与を支給できるだけの蓄えがあるのです。
スター精密は具体的には、
儲からないものはやめて、儲かるものに注力する。
在庫、売掛金を減らし、新規採用を控え、設備投資は借金に頼らない範囲で行う。
同時に、借金、特に短期借入金をすべて返済する。
結果としてスリムで健全な財務体質を作る!
本の中で絶対に会社を潰さないための鉄則を指摘しています。
1) 絶えず5年先までの最悪の事態を想定する
5年先まで見通す。見通しをBSに表わす。
見通しは、良い(2%増)・普通(0%)・最悪(売上半分)の3つの場合を想定する。
見通しは、1年ごとに見直す
2) 捨てる勇気を持つ・・売上至上主義を捨てる
*人・モノ・金の集まりである、BSの総資本を小さくすることが、中小企業を生かす経営
3) 健全性を重要せよ。
*但し、現金比率50%を超えれば、借金の返済を
4) 借金で大きな買い物をしない
*自分のお金で固定資産は買いなさい
*設備投資は、その期の減価償却の範囲内とせよ! 超えても上限は130%
5) 金の出より、入りを1か月早める
6) 在庫は付加価値の4か月以内に抑えよ
7) 1円も無駄にしない社風を作れ
8) 現金創出力を高めよ
9) 5年先のBS計画のない借金はご法度
10) 減収しても増益する体制を作る
を指摘しています。本の中には、以上を実行するための細かいシートがついています。
そして、佐藤式経営の鉄則を守れば、5年で無借金になると断言されています。
当グループも全体では、まだ借入れがあります。
今後、5年と言わず、4年で個人も含めた完全な無借金経営と同時に、売上が1年間ゼロでもスタッフへの給与が払える体制を構築します。
素晴らしいノウハウを惜しげもなく、教えて頂いた佐藤肇さんに感謝です。
少し高い本ですが、それだけの価値はある本です。