私は、毎月4-5本ずつ税理士法人レガシーのCDを聴いています。1本60分ですので往復の通勤時間で1枚聞けてしまいます。専門外でも3回ほど聴くとさすがに理解することができます。このCDのおかげで、当グループの会社分割やグループ会社化を行うことができたので貴重な情報源です。今月の『社長さんができる税務調査の防衛術 ここだけの話』もとても勉強になったので紹介します。
① 国税組織の1年:時期によって、力の入れ方が予想できます。7月1日人事異動ですから、12月末までは調査もたけなわです。1月1日から3月末は部署は違っても確定申告時期のお手伝い。4月1日から6月30日は調査駆け込み(=件数ノルマ)の傾向があります・・調査の時期で力の入り方がわかるようです
② 国税庁税務運営方針より
限られた稼働量で最も効率的な事務運営を行うため、調査は納税者の質的要素を加味した上、高額な者から優先的に、また、悪質な脱漏所得を有すると認められる者及び好況業業種重点業種に属するものから優先的に行うこととする。・・高額な人・好況業種をを優先するという方針が出ているのです。
③ 税務調査のノルマ?・・公式にはないが、内々には職員の評価として以下の3つあります
・ 調査件数・・おおむね調査官一人1週間に1件が目処
・ 追徴課税・増差所得等の額・・『誤った申告を正す』が税務調査の根幹の目的ですから、額が多いと高いと評価
・ 重加算税の対象となった件数・・これは不正を見抜く力の評価ですから、額でなく件数だそうです。
④ 税務調査での非違事項の発生は?
種 類 | 調査件数 | 非違件数 | 1件当平均追徴税額 | 重加算税件数 |
所得税 | 98,687件 | 77,973件(79%) | 約91万円 | 非公表 |
個人事業者 | 55,339件 | 43,734件(79%) | 約40万円 | 非公表 |
法人税 | 129,000件 | 92,000件(71%) | 約169万円 | 25,000件(19%) |
相続税 | 13,787件 | 11,159(81%) | 約549万円 | 1,569件(11%) |
相続税は年間4万件程度しか対象者がいないと考えると、調査に入られる件数は凄いと思いませんか?その上、平均追徴課税額も桁違いです。
⑤ 税金の額に、『正解』はない。
⑥ 修正事項
・ 期ズレによる増差額・・あまり痛くない税金
・ 永久差異による増差額・・痛い税金
⑦ イニシアチブを相手に渡さないための3か条
・ 税務調査には基本的に協力的であること
・ 益金の計上漏れは絶対にないようにしておくこと
・ 架空経費の計上は絶対ないようにしておくこと
ルールを知ると、無用な心配をする必要はないのだと学びました。いつも役に立つCDを提供いただいている税理士法人レガシーさんには感謝です。