平成10年頃に、堺屋太一さんの“平成30年”を読んだときに、長期では間違いなく“円安”になる事、そして当時は聞きなれない言葉でしたが、“レアメタルを含めた貴金属の高騰”がおこることが理解できました。その時から、毎月ドルとユーロそしてプラチナと金を買い続けています。外貨については、それほどではありませんが今後円安になった時には十分利益が確保できるだけの資産ができました。一方の、プラチナと金は、購入当時からは相当値を上げており、やはり一つの資産です。
それでは、今回の堺屋太一さんの“団塊の秋”から投資先を考えるヒントをピックアップします。
・ 政府の発表では年率2%だが、電気代、ガソリン代、食料品は5割以上値上がった。輸入比率の高いものは上が
っているが、国産のPCや自動車は上がっていない。
・ 金融緩和で物価上昇、円安効果したが、コスト増(輸入原材料、電力料金、輸送費値上げ、最低賃金上昇)で
輸出価格が下げられないため、輸出が伸びない。
・ 人口減少、高齢化、財政極度に悪化、貿易も赤字、円も2012年のピークの半値以下
・ 金融緩和で地価が上がったのは、都心のごく一部、日本国土の1万分の1
・ 80年代のレーガノミクスで製造業はダメでも新産業が興った<情報産業、IT技術、娯楽観光)、この大胆な自由化の
お蔭でアメリカが超大国であり続けている
以上のような状況を、堺屋さんは描いています。つまり、やはり外貨とくにアメリカドルはこれからも有望のようです。今後、インフレ基調は、間違いないようですが、だからと言って国内の不動産は、ごく一部以外は持たないほうがよさそうです。
ところで、この本の中には、これから有望なビジネスも散りばめられています。いくつか紹介します。
① 生活保護医療無料化:生活保護者は今や400万人<10年前の2倍)、賃貸チェーン医院が大盛況
(建物も機械も貸してくれて、薬も大量購入)
② 高齢者に適した働くシステム:月10万円貰える仕事の提供
③ 整理屋:高齢者の遺した、家具、什器、衣類を片づける専門業者
④ 知価創造活動の人材の組織化
⑤ 2020年代に猛烈な再編の嵐にあるのが、医療と介護と学校。その中で戦後体制を維持している業界が
たった一つマスコミです。
⑥ 遊休農地や廃業ゴルフ場などを借用して、太陽光発電パネルを並べた発電所にして投資家に売却、その
管理(守)を請け負うもの。管理料は発電した電力の売上の1割が標準
以上のように、単なる小説でなく、今後の投資先さらには新規ビジネスのアイデアまで満載の堺屋太一さんの“団塊の秋”はお勧めです。