【お勧め本のご紹介】死生観が変わる!「最後の医者は桜を見上げて君を想う」

【お勧め本のご紹介】死生観が変わる!「最後の医者は桜を見上げて君を想う」

医師になって、35 年経ちます。勤務医の時代から、在宅医療に取り組むようになって、1000名以上の人間の死に立ち会ってきました。そのため、自分なりの死生観は持っているつもりでした。しかし、偶然、二宮敦人さんの「最後の医者は桜を見上げて君を想う」を手にして、衝撃的でした。まさに、死生観が変わるほどのものでした。本の中の医療現場の描写も秀逸でした。骨髄移植の患者さんがGVHD(移植片対宿主病)を起こした場面、脳神経内科医が針筋電図でALS(筋委縮性側索硬化症)の診断をする際の葛藤、物語の中に登場する、同じ大学を卒業した医師でありながらあまりに異なる考え方、医師自身が癌になった時の思い。きっと著者の二宮敦人さんは医師であるのだと信じで読んでいました。

しかし、なんと彼は、一橋大学経済学部卒業で医師ではありません。作家としての情報収集力、表現力に脱帽です。そのため、本の中にも医師をも考えこませてしまう言葉が散らばっています。以下に、一部をご紹介します。

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  • 自ら死を受け入れることができた時、人は死に勝利したと言えませんか?
  • 僕たち医者は患者を救おうとするあまり、時として病気との戦いを強いるのです。最後まで、ありとあらゆる方法を使って死から遠ざけようとする。患者の家族も、それを望む。だけどそれは、はたして患者が本当に望んでいた生でしょうか? 医者や家族の自己満足ではないか?
  • 死に振り回されると、往々にして生き方を失います。生き方を失った生は、死に等しいのではないでしょうか。逆に、生き方を維持して死ぬことは、生に等しいとは言えないでしょうか?
  • 優秀でなくてもいい。強くなくてもいい。迷いがあってもいい。 音山先生のように優しくて、人を安心させられる医者。 それが私の目指す医者。
  • 二人は強過ぎる。 人としてその身に備えた何かが強過ぎて、弱い、苦しんでいる誰かの心に噛み合わない。
  • 後で死ぬ人は、みんなの死を見届けるのが仕事。先に死ぬ人は、みんなに死を見せつけるのが仕事。
  • 俺が探し続けていたものは、俺が医者になってやりたかったことは、すぐそばにあったのだ。それは、迷うということ。患者と一緒に迷い、悩む。答えが出せないとしても、その苦しさを分かち合う。
  • 「君たちはそれぞれ 偏ってるし、何より迷わな過ぎるんだよ。うまく考えが患者と噛み合えばいいが、そうでない場合はただの暴論の押し付けになる。」
  • 気がつくタイミングってものが……。その時が来るまで、人は自分を変えられないものさ。だから……今すぐでなくてもいい。そのうち、気が変わったらでいい……頭の片隅に置いといてくれ
  • 不健康なことは……本当に不健康になったら、もうできない
  • 死の覚悟は、何もかもを物珍しく見せる。まるで、初めてこの世に生まれ落ちた時のように。

とてもお薦めです。

 


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