先日、「中居正広の金曜日のスマたちへ」で川越救急クリニックについて放送されました。川越救急クリニックは外来診療を16時~22時まで行い、救急診療を16時~翌朝9時まで行っています。川越救急クリニックが担う1次救急から2次救急は3次救急救急を疲弊させない点でも重要です。医療に取り組む真摯な態度に頭が下がりました。
しかし私は、経営者として少し違った視点から見ていました。川越救急クリニックは経営が難しく院長の給料は月額20万円だと言います。そこで他の病院へ出かけ、麻酔の専門医でもある彼はアルバイトをしています。こうしなければ子供が2人いる院長は生活できないということです。
これは経営的には間違っています。現在の“院長の給与が20万しか取れない”という認識が間違っています。正しくは、「売上が損益分岐点を上回り、給与が20万とれるようになった」と考えるべきなのです。つまり、ここから増える売り上げはすべて利益になるのです。ですから、この時にアルバイトに出かけてはいけません。少しでも売上げを上げる、もしくは無駄な経費を減らすことに尽力すべきなのです。売上げ増のためには、現在行っている往診を増やすことも有効です。番組を見ているだけでも、売上増&経費減で簡単に利益を月額100万以上上げることが可能です。もちろん、理念を変える必要も過剰医療する必要もありません。ただし、アルバイトはもっての外です。
実は開業して利益が上がらなくて、バイトに出かける医師は結構います。しかし、それは医療経営者として、やってはいけない”経営ミス“なのです。
このように高い志を持ちながら、数字をコントロールできないばかりに、経営破綻さらには院長が病に倒れることは結構あります。機会がれば、コンサルティングしてみたいケースでした。