血糖値スパイク(=食後高血糖)をもつ総合内科専門医として、令和2年4月からリアルタイム血糖値測定器「フリースタイルリブレ」を装着して4か月目に入ります。リブレによって頻回に血糖が測れることで、多くの人が何気なく朝食に食べている食材によって、血糖値が急上昇することに驚いています。
その代表が、バナナです。私は、以前はほとんど毎日朝食に、ヨーグルトと一緒にバナナを食べていました。しかし、血糖を測定すると毎回180㎎/㎗を超えてしまうのです。外来で、糖尿病や血糖値スパイクの患者さんを見ても、全員バナナで高血糖を呈しています。
調べてみるとバナナの1本(100g)とご飯やパンとの比較は以下のようです。
カロリー | 糖質 | |
ご飯一杯(150g) | 252 kcal | 36.8g |
食パン1枚(80g) | 211 kcal | 26.6g |
バナナ(100g) | 86 kcal | 22.5g |
一見、カロリーも低めで、糖質もご飯や食パンよりも少なめです。「バナナに含まれる果糖は血糖値が上がりにくい」と説明されている文献もありました。実際、今回血糖値スパイクのある者として、リブレを使用して分かったのは、「正常な人がバナナを食べても血糖は上がらない」ということです。しかし、糖尿病や血糖値スパイクの患者さんにとっては、血糖値が上がりにくいと言われているバナナでも、血糖値は急上昇してしまうのです。
朝食に、ヨーグルトと一緒に食べられることが多い蜂蜜にも注意が必要です。蜂蜜は、大さじ一杯20g中に、糖質が18g含まれます。量の割に結構な糖質配分です。そのうえ、蜂蜜は単糖類のため早い段階で血糖値の上昇が始まります。つまり、ヨーグルトに蜂蜜とバナナの組み合わせは、血糖値を急上昇させてしまう可能性がとても高いのです。もちろん、血糖に問題のない正常の方が食べるには、すぐに栄養源を取り入れる点では有効なのです。