偽陰性とは…PCR検査で陰性でも感染が否定されたわけでない

偽陰性とは…PCR検査で陰性でも感染が否定されたわけでない

新型コロナウイルスが蔓延しています。マスコミでは、「もっとPCR検査を頻回に!」「海外に比べ検査数が少ない!」「ウイルスに感染していないことを証明するために検査をしてほしい」などの声が上がっています。

そんな声に水を差すようですが、「偽陰性」という言葉をご存じでしょうか? 偽陰性とは、「陰性」という結果が出ても、実はウイルス感染をしているということです。

検査によって、正しく「ウイルス保有者である」と判断できる割合を、その検査の「感度」といいます。検査が当たり前になっているインフルエンザ迅速検査でさえ感度は 60〜70%程度です。感度を考えると、陽性である場合の確定診断には有用ですが、陰性であることを証明するには信頼性が劣ります。つまり、検査で陰性であっても実は陽性である可能性があるのです。そのため、我々医師は、ウイルス検査はあくまで補助的に使用するのです。インフルエンザの場合、症状や診察所見からインフルエンザが疑われれば、迅速キットが陰性でもインフルエンザとして治療をします。

今回の肺炎コロナウイルスは「新型」ですからPCR検査法の感度は70%、あるいは50%とも、30%ともいわれます。そもそも、その感度自体も不明なのです。つまり陰性であってもコロナウイルス感染が否定されわけではないのです。「検査で偽陰性がありうるということ」を理解すれば、やみくもにコロナウイルスの検査をすることの無意味さ、濃厚接触者が陰性だからといって自由に出歩けない理由、診断には何よりも丁寧な病歴聴取が必要であることがご理解いただけるのではないでしょうか?

 


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