焼香は何回? 五十回忌を機に考える

焼香は何回? 五十回忌を機に考える

先日、父方の祖母の五十回忌を迎えました。お寺さんによると、年間に200回程度の法事をするが五十回忌の法要は極めて珍しいとのことでした。今回の記事では、五十回忌法要および法事の際の焼香について解説をします。

1.法事とは?

そもそも法事という言葉にも多くの意味があるようです。

1-1.法事は冥福を祈るだけではない

厳密にいうと、法事は数多くの仏教行事の一つです。そのため、お盆や彼岸供養も法事に含まれていいるようです。

1-2.忌日法要

外来でも身内が亡くなられたご家族は、49日を過ぎると落ち着かれる方が多いようです。仏教では、人が亡くなってから49日間は死者の魂が成仏せずにさまよっているため、故人のために供養を行う意味があるようです。他にも故人の命日から7日ごとに行われる法要を、忌日法要といって以下の8つがあります。

  • 初七日(7日目)
  • 二七日(14日目)
  • 三七日(21日目)
  • 四七日(28日目)
  • 五七日(35日目)
  • 六七日(42日目)
  • 七七日(49日目)
  • 百カ日(100日目)

1-3.年忌法要

年忌法要とは、決まった年の命日に行う供養のことです。亡くなって1年目を「一周忌」、2年目を「三回忌」、その後、七回忌(6年目)、十三回忌(12年目)、十七回忌(16年目)と、3と7の年度に行います。多くの宗派では三十三回忌や五十回忌をもって弔い上げとされているため、百回忌を執り行わないところもあります。

*弔い上げ(とむらいあげ):最後に行う年忌法要のこと。一般的に、位牌に記されている戒名を先祖の位牌と合わせることを行います、ちなみに我が家では今回の五十回忌が弔い上げとなりました。

2.五十回忌とは?

仏教では、死んでから50年経つと極楽浄土に行くことができると考えられています。そのため、故人が亡くなってから、49年後に行う年忌法要はとても重要です。同時に五十回忌には、家系が50年絶えず続いたことから、おめでたいこととも考えられています。

自分も、小学校の頃に身内の五十回忌に参加させてもらい、涙ながらに五十回忌のあいさつをされている姿を見て感動したことを覚えています。そのため、今回の祖母の五十回忌には三女に参加してもらいました。

3.五十回忌を誰にしてもらう?

人が死んでから50年後に執り行われる五十回忌は誰が執り行ってくれるのでしょうか?おおよそ以下のケースがあるようです。

3-1.配偶者

配偶者を若くして亡くした場合です。私の母方の祖母は40歳台にご主人を亡くし、自身は99歳まで生きました。そのため、祖母自身はご主人の五十回忌を行っていました。ご主人を亡くしてから50年以上独り身で生活していたと考えると少し切なくなります。


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3-2.子供

子供が五十回忌を行うためには、比較的親が若くして亡くなった場合です。今回の私の父方の祖母も60歳で亡くなっていました。今の時代で考えるとかなり若いです。医師になって当時の状況を考えると、原因は「高血圧を放置したうえでの脳出血による死」です。血圧のコントロールさえしっかりしておけば、もっと長生きできたと医師として感じます。

3-3.孫

最も多いケースがお孫さんによる場合です。さすがにうっすらとした記憶しかない故人のために50回忌を執り行うことはとても素敵な風習だと思います。故人もさぞや満足してくれていると思います。ただし、最近の高齢化を考えると孫でさえ難しいと感じます。私の両親は健在です。5人の孫の中で最も若いのが私の3女で22歳。今死んだとしても72歳です。三女が思わず「私も難しいかも・・」と言っていました。

4.焼香の回数

50回忌の法要でも皆に焼香をしてもらいました。法事や葬儀などで行われる焼香ですがその方法と回数について迷われる方の多いのではないでしょうか?

実は、焼香の回数や方法は宗派によって異なります。ただし、葬儀など相手の宗派が分からないときは自分の宗派の回数で行えば大丈夫です。そのためにも自分の宗派の方法や回数は知っておくと良いでしょう。

  • 真言宗:抹香を額の高さに掲げておしいただき、焼香は3回
  • 浄土宗:抹香を額の高さに掲げておしいただき、焼香は1~3回
  • 浄土真宗:抹香を額の高さに掲げておしいただかず、焼香は1回。浄土真宗の中の東本願寺派(大谷派)は2回になります。ちなみに長谷川の家は浄土真宗東本願寺です。
  • 日蓮宗:抹香を額の高さに掲げておしいただき、焼香は1~3回
  • 臨済宗:1回目は抹香を額の高さに掲げておしいただき、2回目はそのままの状態で焼香する
  • 曹洞宗:1回目は抹香を額の高さに掲げておしいただき、2回目はそのままの状態で焼香する
  • 天台宗:抹香を額の高さに掲げておしいただき、焼香は3回

各宗派、微妙な違いがあるようです。正直、今回調べるまでは適当にやっていたので、自分の宗派は、抹香をおしいただかず、焼香は2回と理解できました。

5.まとめ

  • 法事のなかでも、故人が亡くなってから50年後の五十回忌の実現はなかなか難しいものです。
  • だからこそ50回忌が執り行えることは、とても幸せなことです。
  • 法事の際の、焼香の方法や回数は宗派によって微妙な違いがあるようです。

 

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