先週、偶然『梅ちゃん先生』の総集編を見ました。
NHKの朝の連続ドラマを見る機会はあまりありません。
何気なくTVをつけると総集編がやっており思わず、一気に見てしまいました。
ドラマの舞台は、昭和20年、終戦直後、焼け野原と化した東京・蒲田(現・東京都大田区)。
復興、そして昭和の奇跡の経済成長を支えていく名もなき人々に寄りそって、命を守る医師になっていく一人の女性が主人公の梅子です。
挑んで、失敗して、笑って、そして泣いて・・・彼女の周りには、いつも家族や町の人々の笑顔があふれている。
『梅ちゃん先生』は、地域医療に生きようとするヒロインのひたむきで、にぎやかな日々が描かれていました。
父親が治療する場面に接して、医師を志す姿は、とても感動的です。
さらに、先輩医師でもある父親の真摯な医師像は、私自身の背筋が伸びる思いでした。
内容的には、急患が来ても画像検査も血液検査もできない時代では、医療レベルは高くはなかったと思います。
しかし、治療も検査もできない点では、私が日々行っている訪問診療も同様です。
そのような状態でも患者さん、ご家族に納得していただく点では、訪問診療の原点が描かれていたように思われます。
ドラマの中で、松・竹・梅には、上下関係はないことが描かれていました。
松・竹・梅は、歳寒三友(さいかんのさんゆう)というそうです。
つまり、松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。
これらは「清廉潔白・節操」という、文人の理想を表現したものだそうです。
その故事によって、長女には松子、長男に竹夫、そして次女に梅子と名付けたそうです。
歳寒三友という言葉の持つ意味と、当時の、父親の学の深さにも感動しました。