映画“海を飛ぶ夢”・・アルコール好きの方は頸椎損傷にご注意

2013-03-08

映画の中には、医学的な話を題材にしているものが数多くあります。
先日DVDで見た、“海を飛ぶ夢”も、海に飛び込んだ際に、頸椎を損傷し四肢麻痺になった患者さんのお話です。
主人公は、25歳の時に海で起きた事故で首から下の自由を奪われ、寝たきりの生活を送り続けてきていました。26年間、彼は家族の絆や介護に支えられ穏やかに暮らしていましたが、自分らしく生きるために「尊厳死」という選択をしました。彼の周囲の人間は、彼の選択に動揺し、葛藤するというお話です。

一見、皆さんには関係ないと思われるかも知れませんが、頚椎損傷の患者さんは結構見えます。一時期、私は在宅で8名の頸椎損傷の患者さんを診ていました。彼らが頸椎損傷になった原因は何だと思いますか?なんと8例中7例が、お酒を飲んで酔っ払って階段から落ちた事故によるものです。そのためか全員が男性です。最近のお酒を飲んで酔っ払っている女性を見ていると、これからは女性の患者さんも増えそうです。

頸椎の障害ですから、頭は全く正常です。そのため、家族も一人にして買い物程度に出かけることは可能です。しかし、本人は手も足も動きませんから、長期間一人にすることはできません。もちろん、心臓や内臓は正常ですから寿命が短くなることはありません。唯一救われる点は、生命保険の高度障害に該当することです。つまり、死亡したと同じだけの給付を受ける事ができます。(給付申請ができることを知らない方も結構見えますが・・・)


長谷川嘉哉監修の「ブレイングボード®︎」 これ1台で4種類の効果的な運動 詳しくはこちら



当ブログの更新情報を毎週配信 長谷川嘉哉のメールマガジン登録者募集中 詳しくはこちら


頭が全く正常で、手足が全く動かないで26年間生活することを想像してみて下さい。介護者の負担は相当なものです。主人公が尊厳死を望むことも否定できないのではないでしょうか?
お酒が好きで、記憶を失うまで飲酒する方は、一度映画を見てみて、自重することをお勧めします。

長谷川嘉哉監修シリーズ